佐々木俊尚「情報格差をもたらすインターネットはマスメディアがもつ機能を果たせるのか」

〔PHOTO〕gettyimages

新しい「デジタルデバイド」が起きている

1990年代に「デジタルデバイド」ということばがあった。インターネットやパソコンなどを利用している層とそうでない層で、経済的格差が生じてくる可能性が指摘され、これが「デジタルによる分断」であるとしてデジタルデバイドと呼ばれていたのだ。

当時はまだパソコンのUIは洗練されておらず、ウェブも使いやすいものではなかった。加えてパソコンの価格やネットの利用料金も高価だったし、地域によるネットの回線の普及にもかなり差があった。だからITを活用するためには、「金銭的な余裕」「利便性の高い都会に住んでいること」「一定度のスキル」といった条件が課せられていたのである。

この条件が情報格差となり、さらにこの情報格差が最終的に経済的格差へと結びつくのではないかというのが、当時のデジタルデバイド論だった。

しかしその後は携帯電話のインターネット接続が加速したことで、「ネットを使う」というレベルでのデジタルデバイドはほぼ解消したと言っていいだろう。モバイルを含めればネットをまったく使えない環境にいる人を探す方が難しい。

しかし最近のインターネットでは、もっと別の重層的なデジタルデバイドが起きている

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