セオ シマジさんの時代は高度成長やバブルの風に煽られて雑誌は売れに売れたようですが、いまはインターネットの普及もあってどこも大変です。
立木 おれは本も雑誌も紙で読みたいけどね。
シマジ おれも世代的にタッチャンと同じで本は紙に印刷されたものしか読む気がしないけど、この対談のようにウェブサイトの連載を水木金と毎週やっていて、読者のレスポンスがすぐ取り上げられるのは素晴らしいよね。これは紙媒体では絶対味わえない刺激でしょう。
セオ そうです。シマジさんはネットの世界でも大活躍中なのです。
立木 シマジ、人生は働けるうちは働け。門前雀羅の身をかこつ前に、注文があるうちが華なんだからな。
セオ じつは今年の初夢はシマジさんのメルマガを現代ビジネスで創刊するという夢だったんです。忙しいシマジさんを説得して、いよいよこの秋にも始めることになりました。
藤重 それは課金制ですか。
セオ その予定です。毎週火曜日にシマジさんのエッセイが更新されて、また1週間のシマジ日記が公開されて、あとは読者との忌憚のない一問一答のコーナーが設置される予定です。
シマジ まあ、むかし東スポで連載していたようなエッセイをもっとエクスクルーシブな内容で書くつもりです。
藤重 ぼくは必ず第一号の会員になりますから、ご連絡ください。『甘い生活』も東スポの連載エッセイを纏めたものでしたよね。
立木 しかし東スポはどうして連載を止めたんだろう。
セオ 東スポのメインの読者はブルーカラーの労働者ですから、シマジさんのエッセイはハイブラウだったのではないですか。
シマジ まあまあ、別れた女のことはとやかくいわないほうがいい。
立木 まさかまたおれに写真を撮ってくれなんていうんじゃないだろうな。
シマジ 心配ご無用。今度は宇野亜喜良さんにお願いして豪華絢爛な門構えのイラストを描いてもらっています。日本のビアズリーはすさまじいオーラーを放つ絵を描いてくれました。そのなかにこれから妖しいことを書いていくわけです。宇野さんのイラストは凄く気に入りました。いろいろみましたが豪華な門構えつきのメルマガはいまだにほとんどないんです。
立木 よかった。勝手におやり。おれのことは書かないようにお願いします。なるべくそっとしておいてください。
シマジ いやいや、40年のお付き合いのタッチャンをはずしてはわたしのエッセイはなりたちません。しかもこうしていま月2回は一緒に仕事しているんですよ。