真壁昭夫「シェール革命のインパクト」【第3回】国際政治の勢力構造を変えるほどのインパクト

サハリン・ハバロフスク・ウラジオストクパイプラインの開通記念式典の様子 〔PHOTO〕gettyimages

"シェール革命"には、経済・金融だけではなく、世界の政治パラダイムをも変える影響力が潜んでいる。"シェール"革命で、世界で最も困る人はだれだろう? それはロシアのプーチン大統領かもしれない。

ロシアの経済は、エネルギー資源の輸出に依存する割合が非常に高い。経済専門家の一人は、「当面、ロシアは自力で工業化することを諦め、天然資源の輸出で経済を発展させるつもりのようだ」と指摘していた。

その通りかもしれない。現に、ロシアで産出した天然ガスを、パイプラインを通して東欧や西欧諸国に輸出しているのだが、それが、プーチン政権を支える重要な収入源の一つになっている。

"シェール革命"で天然ガスの価格下落

現在、米国は、基本的にシェールガスの輸出を禁止している。しかし、国内のシェールガス生産量の増加に伴い、今後、輸出を解禁することは既定の事実だ。米国内の一部では、シェールガスは余り気味と言われている。

そのため、米国内での天然ガス価格は、一単位(100万BTU=ブリティッシュ・サーマル・ユニット)当たり4ドル台になっているという。わが国が輸入しているLNGの価格は、同約16ドルから17ドル、ロシアが輸出している価格が同約12ドル程度という。

今後、米国が本格的にシェールガスを輸出するようになると、恐らく、天然ガスの価格は下がる可能性が高いだろう。そうなると、ロシアのガス輸出代金も下がって、プーチン大統領は有力な収入源を失うことにもなりかねない。

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