佐々木俊尚「ワシントンポストはベゾスによって生まれ変われるか」

〔PHOTO〕gettyimages

ベソスが見抜いたワシントンポストの価値

アメリカの高級紙「ワシントンポスト(WP)」をアマゾンCEOのジェフ・ベゾスが個人で買収したことについて、WPの名物記者として知られるボブ・ウッドワードのコメントが非常に興味深い。彼はMSNBCの番組『モーニングジョー』でこう言った。

「マードックがウォールストリートジャーナルを買収したのとは違う。これはワシントンポストの報道が卓越していることの価値を知っている人間がいたということで、この買収に否定的な側面など何もない」

ルパート・マードック率いるメディアコングロマリット、ニューズコーポレーションはしばらく前に経済紙のウォールストリートジャーナル(WSJ)を買収している。この買収はかなりの批判を呼んでいて、ニューヨークタイムズのコラムでは「WSJはフォックス化した」などと書かれたりした。もともと精緻な分析と論考で知られるWSJを、悪名高いフォックスのように右寄りで扇情的な報道に傾斜させていってしまったという指摘である。マードックは買収時は「編集には口を出さない」と言明していたが、実際には編集にかなり介入しているらしい。

マードックに比べれば、アマゾンのベゾスの政治的立ち位置などはそれほど明快ではない。自分の政治的主張を自由に発信するためにWPを買収したというようなことはなさそうだ。

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