真壁昭夫「シェール革命のインパクト」【第1回】アメリカの貿易赤字が解消、世界経済の構造は一変する

〔PHOTO〕gettyimages

そもそも"シェールガス"、"シェールオイル"とは、地中深くのシェール層とよばれる固い岩盤に含まれる天然ガスや原油を意味する。米国などでは、その存在はかなり以前から認識されていたものの、採掘に莫大な費用が掛かるため、積極的に採掘されることはなかった。

ところが、近年、技術の進展によって、採掘コストが低下したこともあり注目度が大きく上昇した。特に、オバマ政権の誕生とともに大きな期待を集めはじめ、米国内の天然資源の開発が見直され採掘が急ピッチで進められている。

今後、"シェールガス"などの採掘がさらに進むと、米国に限らず世界の経済に与える影響は計り知れないほど大きくなる可能性がある。一部の専門家の間には、「世界経済の構造を変えることも考えられる」と指摘する向きもある。

"シェール革命"が米国経済に与える影響

"シェール革命"という呼称は、シェールガスやシェールオイルの開発が、米国の雇用、経常収支、安全保障などの要素を大きく変える可能性があるからだ。それは、まさに"革命"と呼ばれるに相応しいインパクトとなる可能性がある。

先ず、米国でエネルギー源の確保が可能となれば、これまでに比べ、エネルギーに係る輸送コストなど、各種エネルギー源の掘削、精製、販売に要していたコストの低減が見込まれる。また、米国内でのエネルギー掘削活動により、雇用も増加することが期待される。

そして、これからシェールの開発が進行し、十分な利益を獲得できる事業内容に成長すれば、米国は、中東地域に依存していたエネルギー供給源を、国内に移すことも可能になるだろう。そうなると、中東地域を巡る安全保障議論にも影響を与える可能性がある。

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