100件覆面調査!恐怖の老人ホームに入ってみた パンフレットはウソばかり入居してからでは手遅れです

週刊現代 プロフィール

調査員「私たち家族はいま、大阪で、母と離れて住んでいまして。母は80歳で、一人暮らしなんです。認知症はないんですけど、最近もの忘れがひどくて。本人はまだまだ自分で生活できるというんだけど……」

職員「はあ、そうですか」

調査員「そこでうかがいたいんですが、おたくに入居したら、毎日の母の様子の確認は、どういうふうにしてくださるんでしょう?」

 は、と介護職員は怪訝な声を出す。

職員「あの、毎日みなさん食堂に集まりますから、そのときに確認しますよ」

調査員「でも食事のサービスを頼まなかったら、自分の部屋で料理して、食事をとってもいいんですよね」

職員「あー、まーねぇ……。でも、みなさんで、まとめて食事をとられたほうが簡単ですよ。それこそ安否確認もできますしね」

 思わずこぼれた「簡単」という言葉。業務の簡便さのために、入居者に集団で食事をさせているのだ。プライバシーを求める入居者のニーズとは正反対だ。

 福祉問題に詳しいジャーナリストの浅川澄一氏は、新型老人ホームはあくまで高齢者向けの住宅に過ぎないが、入居者が抱くイメージと現実に大きな食い違いがあると指摘する。

「法律によって新型老人ホームに義務づけられているサービスは、基本的に二つしかない。一つは入居者の『安否確認』。もう一つは『生活相談』。郵便局はどこにあるかなど、相談された事柄に答えるというものです。

 デイサービスや訪問介護の事務所を付設したり、ケアマネージャーを常駐させているところが多いですが、そうしたサービスを付けるかどうかは制度上は事業者の自由裁量です」

誰も助けてくれない

 だが、そんな基本中の基本である安否確認すら業者は面倒くさがり、入居者の自由を犠牲にして、効率優先で行おうとする。

 次ページの表は、今回の100件調査のデータをもとに本誌が抽出した新型老人ホームのひどすぎる実態だ。「入居すれば安心して人生の最終盤を過ごせる」と誘う宣伝物が、いかに嘘八百のいい加減なものであるかがわかるだろう。

 今回、調査を行ったNPO法人・二十四の瞳代表の山崎宏氏はこう指摘する。