100件覆面調査!恐怖の老人ホームに入ってみた パンフレットはウソばかり入居してからでは手遅れです

週刊現代 プロフィール

「あー、○○ホームですが入居者の方が胸が痛いといって倒れまして。30分くらい前です。はい、私ヘルパーです。えっ? なんですか? すみません、ヘルパーの資格もこないだ取ったばかりなんで、難しいことはわからなくて……。はい、ええ、住所ですか—」

 なんだこの人、ただの素人なんじゃないか……。

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 以上は今回、介護や福祉に関する情報提供を行っているNPO法人・二十四の瞳が行った「新型老人ホーム」100件に対する覆面実態調査と、本誌の取材に基づいて再現した、新型老人ホームでの一幕だ。

 命の危険がある場面でも入居者が放置され、ようやく来た職員も素人同然—。そんな恐るべき事態が、当たり前のように起きている。

 ここでいう新型老人ホームとは、現在、国がもっとも力を入れて新設を推進している、高齢者向け住宅の一種。正式には「サービス付き高齢者向け住宅」と呼ばれるものだ。

 従来の老人ホームとの違いについて、介護現場でのトラブル相談などを行っている介護と福祉のリスクコンサルタント・山田滋氏はこう解説する。

「従来の老人ホームは介護を行うために高齢者を集めた『施設』ですが、新型老人ホームは施設ではなく、高齢者用の『住宅』だという点が根本的に違います。

 イメージとしては、基本的にマンションのような一般の賃貸住宅と同じだと考えてください。そこに医療や福祉の資格を持つ専門の職員を置き、『生活支援サービス』を行うことが認可の条件になっています。

 入居者は月々の家賃に加えて、サービス料1万~5万円を支払い、場合によってはさらにサービスごとに設定されている追加料金を支払うことになります」

 ポイントは、この新型老人ホームでは、一般のマンションのように入居者がそれぞれ個室に住まうということ。そのため、「少し手伝ってもらえれば、まだまだ自分で生活できる」「従来型の老人ホームで、プライバシーのない集団生活を送るのはいやだ」と考える人々の注目を集めているのだ。

 ではその実態はどうなのか。前出のNPO法人・二十四の瞳では、離れて暮らす母親を入居させる子供が相談する設定で、覆面調査員がサービスについてさまざまな質問を投げかけ、返答内容や職員の態度などを集計。本誌は同NPO法人の協力により、その恐るべき実態を独占初公開する。

 ある都内の新型老人ホームでは、覆面調査員は次のように疑問をぶつけた。