2013.08.27
# 雑誌

この国は壊れはじめている「千年猛暑」異常気象はまだまだ続く

週刊現代 プロフィール

「11日に東京で発生した雷は約2000回です。落雷で京王線の踏切をコントロールするシステムがダウンし、長時間不通になる事故もありましたが、これは2000回の落雷が京王線沿線地域に、かなり集中的に発生したからです。

 雷の発生回数というのは本当に年によってまちまちで、'00年は年間9000回落ちましたが、'03年はわずか165回であったりします。過去最高は、'06年8月12日に一日で日本全国で39万8000回という記録もあります。ですから、2000回というのは雷としては特別、多いものではありません。

 しかし今回は、短い時間に特定のエリアに集中して発生しましたから、そこにいた人の体感としては、身の危険を感じるような猛烈な雷だったでしょう」

超巨大台風が日本直撃

 今村氏によると、雷は夕立が本降りになる前がもっとも多いとされるという。

「人が屋外で雷に直撃されたときに死亡する確率は70~80%。心肺停止が起きた場合でもあきらめず、AED(自動体外式除細動器)などを使って心肺蘇生をほどこせば、蘇生する可能性はあります。

 屋内に避難すればまず、命にかかわるような事故は起きません。ただ、電気の伝わりやすい電話線やコンセント、アンテナ線、また水道管を伝って室内に電気が入りこみ、感電することは十分、ありえます。

 そのため、落雷の激しいときは家電製品や配線の通っている壁、柱から1m以上離れ、入浴なども避けたほうがいいと言われているのです」(今村氏)

 まだまだ続く異常気象。スーパー地獄夜+ゲリラ豪雨+集中落雷と、私たちの命を脅かす未曾有の異常気象がこの国を壊していく。

 今後、秋にかけて不安なのが今年の台風の傾向だ。この調子では、これからとてつもなく強力な台風が来るのではないか。

 前出の気象予報士・大野氏はこう見ている。

「問題になるのは、そのときの日本の南の海水温です。ここ数週間、九州、四国から関東の南岸にかけて、海水温が平年以上に上がっていて、30度以上のエリアも増えている。

 海水温が27度以上だと、南方で発生した台風は勢力を衰えさせずに進んできます。ですから私は、海水温が下がらないうちは台風が来ないでくれと祈っているのです」

 台風の接近を阻んでいる太平洋高気圧が弱まれば、気温が下がって人々はホッと一息つくだろう。

 だが皮肉にも、そのせいで強大な台風が次々と日本を直撃する可能性も否定できない。

 前出の気象予報士・森田氏は、今後は巨大台風の襲来が当たり前になってくるかもしれないと指摘する。

「いま、学問の世界では、地球温暖化説と寒冷化説、両方が議論されています。

 先月、東京大学大気海洋研究所の渡部雅浩准教授が、'00年から地球の温暖化が止まったように見えるのは深海の水が熱を吸収したからだと発表して、温暖化説が優勢になってきました。

 温暖化で台風は増えるという説と減るという説があるのですが、いずれの場合も『今後は台風が巨大化するだろう』と予測されています。これはもう避けられない運命だろうと、私は思っています」

 日本に住む限り、もはや異常気象から逃れるすべはない。生き残るための備えをするなら、いましかない。

「週刊現代」2013年8月31日号より

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