2013.08.27
# 雑誌

この国は壊れはじめている「千年猛暑」異常気象はまだまだ続く

週刊現代 プロフィール
〔PHOTO〕gettyimages

 災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は、今後は山間部ばかりでなく、大都市圏でも、こうした急激な大雨で人命が失われるような恐怖の時代がやってきたと警鐘を鳴らす。

「現在、地球規模でシビア・ウェザー(極端な天候変化)の頻度が増しています。日本近海でも台風や低気圧の強大化が見られ、積乱雲の短時間での発達にともない、豪雨、強風、竜巻、頻繁な落雷といった現象が起こるようになりました。

 これまで大都市は自然災害とはあまり関係ないというイメージがありましたが、いま都市特有の環境による"都市型災害"の危険性が高まってきているのです」

 それはいったいどういうことか。

「都市部では地面がコンクリートやアスファルトで覆われて、吸水性がない。そのため、降った雨は人工的に作った排水施設にいっきに流れ込みます。ところが多くの場所では、1時間あたり50mmを超えるような雨が続くと対応できない。

 専門的には、川が増水して溢れるような事態を『外水被害』、排水能力を超えてマンホールから下水が噴出してくるような事態を『内水被害』と呼びますが、この内水被害が次々と起こるのです」(和田氏)

 '70年代以前に下水設備が整備された街では、雨水と家庭排水などの汚水がマンホールの底で合流する合流式の下水道も多い。ここが容量の限界を超えれば、単に雨水が溢れるだけでなく、さまざまな汚物が街に溢れかえる事態となる。

「過去にも都市部ではさまざまな死亡事故が起きています。道路に水が溢れてマンホールの蓋が外れているのが見えず、歩いていた人が落下して溺死した例。車道が立体交差で地下を通る部分(アンダーパス)が冠水、水没した車内で溺死した例。ビルの地下室に濁流が流れ込み溺死した例……。

 子供などは、『まさかこんなところで』と思うような小さな側溝にはまっただけで溺死してしまうこともある。今後、注意を怠っていれば、こうした事故が増えていく可能性も否定できない」(和田氏)

 広い地下施設であれば水没までにはかなりの時間がかかるので落ち着けば脱出は難しくない。だが天候不順の際に狭い地下空間にいるのは禁物だ。日常的に地下駐車場などを使うなら、必ず避難路を確認しておくべきだろう。

 また、「渋谷、世田谷、溜池など地名に水や水に関係する地形を含む言葉が入っているような場所は海抜が低く、歴史的に水害に遭ってきたようなところが多い」と和田氏は指摘する。

 スーパー地獄夜+ゲリラ豪雨だけでも異常事態だったが、11~12日、さらに東京西部の人々を驚かせたのがあまりにも多い落雷だった。雷に関する情報を専門に扱う気象情報会社フランクリン・ジャパンに所属する気象予報士の今村益子氏はこう話す。

関連記事

おすすめの記事