[プロ野球]
DeNA・西森将司「3本の矢で1軍定着を射止める」

アイランドリーグ出身選手たちは今 2013年Vol.6
スポーツコミュニケーションズ

巨人・長野を「絶対に抑える」

 もちろん、2軍でポジションをつかんだのはキャッチャーとしての能力も買われたからだ。2軍の高浦己佐緒バッテリーコーチは「スローイングがいい」と評価する。盗塁阻止率は3割台後半。一時は4割を超えていた。

 西森は四国にいた頃からスローイングの正確性を追求しており、今春のキャンプでは1軍の山下和彦バッテリーコーチからより速く投げるためのステップワークを教わった。その成果が表れている。

「肩の強さだけなら、チームの中にも黒羽根(利規)とか高城(俊人)とか、僕より上の人間はいます。でも捕ってからの投げるまでの速さや、狙ったところへ投げられる点では負けていないと思いますね」

 俊足、スイッチ、スローイングの良さ――。走攻守の3本の矢で、次に狙う的は1軍定着だ。初ヒットから2日後、ピッチャーを増員する兼ね合いで2軍降格が決まった際には、中畑清監督から直々に「次に上げるチャンスは絶対に来る。準備しておけ」と言葉をもらった。

 そして、この14日、故障した外野手の井手正太郎の代わりに再び1軍に戻ってきた。控えキャッチャーのみならず、代走、代打もこなせるユーティリティープレーヤーとして、求められる役割は少なくない。

「1軍と2軍ではやっぱりレベルが違います。雰囲気も全然変わりますし、まだまだ未熟者です」

 それでも、結果がすべてのプロの世界である。最初に満員の甲子園でタイムリーを放った事実は西森にとって大きい。今度はマスクをかぶって投手陣をリードし、チームを勝利に導くつもりだ。

「巨人の長野(久義)さんはホンダの先輩です。後ろから精神的に揺さぶりをかけて(笑)、絶対に抑えます」

 DeNAは巨人に対し、3勝13敗1分と完全にカモにされている。いくら相手が首位といえども、初のクライマックスシリーズ進出へ向け、このまま負け続けるわけにはいかない。巨人の主力バッターを「絶対に抑える」と不敵に笑う元アイランドリーガーが、ハマの秘密兵器となる。 

西森将司(にしもり・まさし)プロフィール>
1987年12月29日、京都府出身。北照高時代は田中将大擁する駒大苫小牧に甲子園出場を阻まれる。社会人のホンダを経て、08年に香川へ入団。2年目から正捕手となり、10年の独立リーグ日本一に貢献。強肩を買われ、11年のドラフト会議でDeNAから育成2位指名を受ける。2年目の今季は俊足を生かすためスイッチヒッターに挑戦して2軍のレギュラーを獲得。7月に支配下登録を受け、1軍では初打席初安打初打点を記録した。身長 182センチ、体重80キロ。右投両打。背番号66。

(石田洋之)