重力理論と量子力学を統合した先の衝撃!『大栗先生の超弦理論入門』

九次元世界にあった究極の理論
大栗 博司 プロフィール

 そして第9章で、ついに空間は「幻想」になります。私は超弦理論の研究を通して、世界の見方が根底からくつがえるような経験をしました。みなさんにもぜひ、それを経験していただきたい。本書を執筆した動機はそこにあります。

 空間が幻想であるならば、時間も幻想なのでしょうか。みなさんも気になることでしょう。過去と未来には、本当に区別があるのでしょうか。そもそも、時間とは何でしょうか。最後の第10章では、こうした時間にまつわる疑問について考えてみます。

 各章のはじめには、その章の話題にまつわる文学作品や歴史的文書などを紹介しながら簡単な導入を書きました。また、各章の終わりには休めとして、軽いコラムを載せました。これらを拾い読みしながら行きつ戻りつするというのも、本書のひとつの読み方です。

 幻冬舎新書から上梓した『重力とは何か』と『強い力と弱い力』では、本文中のイラストもほとんどは私が描きましたが、本書ではイラストというよりダイアグラム(図式)が主であり、また数も多くなったので専門の方に依頼しました。しかし、科学者たちの似顔絵だけは前の二冊と同様に、自分で描きました。彼らの研究の内容を知っている私が描いたほうが、より内面を反映した絵になると思ったからです。

 みなさんの興味に応じて、いろいろな読み方で本書を楽しんでいただければと思います。

 では、物理学者が「空間は幻想である」と考えるにいたった理由を説明していきましょう。

著者 大栗博司(おおぐり・ひろし)
カリフォルニア工科大学カブリ冠教授、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員。1962年生まれ。京都大学理学部卒業。京都大学大学院修士課程修了。東京大学理学博士。プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを経て現職。アスペン物理学センター理事。アメリカ数学会アイゼンバッド賞、フンボルト賞、仁科記念賞、サイモンズ賞などを受賞。アメリカ数学会フェロー。『重力とは何か』、『強い力と弱い力』(幻冬舎新書)、朝日新聞WEBRONZAの執筆や市民講座などで科学アウトリーチにも努めている。
『大栗先生の超弦理論入門』
九次元世界にあった究極の理論

大栗博司=著

発行年月日:2013/08/20
ページ数:288
シリーズ通巻番号:B1827

定価(税込):1029円
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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)