数学ランドと物理学ランドを結ぶ、自然にひそむ平方数の不思議!

『世界は2乗でできている』
小島 寛之 プロフィール

 この宇宙は,ある意味で,2乗に支配された空間だと言っても過言ではない。物理学ランドでは,ガリレイの天文学を出発点とし,ニュートン力学, 量子力学,相対性理論まで遊覧していただく。

 そこでご覧いただくのは,ガリレイが発見した地上での自由落下の2乗則や,ニュートンの突き止めた,引力が距離の2乗に反比例する万有引力の法則や,ボーアが解明した,水素原子のスペクトルに平方数が現れる理由などである。

 そんな物理学ランドの最終目的地は,アインシュタインのあの有名な公式, E=mc2だ。

 この式は,誰もがご存じだろうが,「どうして成り立つのか」についてはほとんど理解されていないのではないかと思う。本書の売りの一つは,この公式に最短かつ最楽にたどり着くことだ。そして,それは同時に,アインシュタインの相対性理論が,ピタゴラスの定理を「時間まで取り込んだ宇宙版」に拡張したものにすぎないと理解することにもつながる。

 数学ランドと物理学ランドは,鏡の壁一枚を通って瞬時に行き来できる,と先ほど書いたが,このことは,現代の数学と物理学の親密な関係を表している。現代においては,数学が物理学から新しい問題を得て進化し,逆に,数学で単独に研究されていた抽象的な概念が,物理現象の中に発見され,物理学に応用されるようになる,といった相互浸透が進んでいる。本書のテーマパークで,その一端を眺めることができるはずだ。

 それでは,こんなわくわくにあふれている「2乗の世界」を,存分にお楽しみください。

 また,各章の最後に「平方数を好きになる問題」というのがついているので,計算して遊んでみてください。

著者 小島寛之(こじま・ひろゆき)
一九五八年、東京生まれ。東京大学理学部数学科卒。同大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、帝京大学経済学部経済学科教授。数学エッセイストとしても活躍。著書に、『数学的推論が世界を変える』(NHK出版新書)、『数学入門』(ちくま新書)、『文系のための数学教室』『数学でつまずくのはなぜか』『経済学の思考法』(いずれも講談社現代新書)など多数。
『世界は2乗でできている』
自然にひそむ平方数の不思議

小島寛之=著

発行年月日:2013/08/20
ページ数:248
シリーズ通巻番号:B1819

定価(税込):945円
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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)