経済の死角
2013年08月19日(月) 

中部電力が踏み出した、日本の新しいエネルギー産業創生に向けた第一歩

一方で中部電力は、火力発電用にLNG(液化天然ガス)を大量に消費しているが、その価格引き下げにも大胆な手を打っている。大阪ガスと共同で米国のシェールガスの輸入に名乗りを上げてきたのだ。通常の石油ガスに比べてシェールガスの価格は低く、液化コストを入れても従来のLNGよりも大幅に価格引き下げが可能と見られている。

5月にはオバマ政権が日本へのシェールガスの輸出を許可。中部電力と大阪ガスが、米フリーポート社との間で結んでいるLNG加工設備プロジェクトが動き始めた。2017年には米国からのLNGの積み出しが始まる見通しだ。

電力自由化が大きく進みかけた2003年頃には中部電力と大阪ガスの経営統合の噂が流れた。安倍内閣による電力改革が今後、こうしたエネルギー産業の体制に大きな変化をもたらすのは間違いない。世界各地で電力事業を買収・事業展開する総合商社や、都市ガス会社、大量に熱を発生させる製造企業などが合従連衡して、「総合エネルギー・コングロマリット」を形成していくことになるだろう。

今回の中部電力や三菱商事の動きは、日本の新しいエネルギー産業創生に向けた第一歩と言えるかもしれない。

 

磯山友幸 (いそやま・ともゆき)
硬派経済ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞社で証券部記者、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、日経ビジネス副編集長・編集委員などを務め2011年3月末で退社・独立。著書に『国際会計基準戦争・完結編』『ブランド王国スイスの秘密』など。熊本学園大学招聘教授、上智大学非常勤講師、静岡県"ふじのくに"づくりリーディングアドバイザーなども務める。Twitterアカウントは@isoyant
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