[アイランドリーグ]
高知・井川博文「150キロ超えでアピールを」

2013年注目選手に訊く Vol.3
スポーツコミュニケーションズ

「プロの球場で投げたい」が受験動機

――現在、奪三振はリーグトップ。三振へのこだわりはありますか。
井川: 今年は奪三振王のタイトルを開幕前から狙っていました。自分が一番、アピールできるのは三振がとれるところ。追い込んだら、絶対に三振をとるつもりで投げています。

頻度は少ないがナックルも投げる。

――ウイニングショットはサイドから投げ込むスライダーですね。
井川: スライダーに関しては、このリーグでは打たれるイメージがありません。「いつでも三振はとれるぞ」という思いでマウンドに上がっています。

――スライダーには、何か打たれない秘訣があるのでしょうか。
井川: 自分自身は特別曲がりが大きいとは思いませんが、高校(倉吉農)時代からなぜか空振りがとれたんです。握りはボールの縫い目と縫い目の間が狭くなっている部分に人差し指と中指を両方かけています。そして親指を深めに握り、ひねる感覚で投げるんです。

――スライダーは一般的には、縫い目に指を沿わせ、切るように投げるイメージが強いですが、これは独特ですね。
井川: その投げ方だと、うまく曲がらないんです。今の握りを見つけたのは小学校の時。遊びで先輩がスライダーを投げるのを見ていて、「指を1本かけるより、2本かけたほうがもっと曲がるのでは?」という素朴な疑問から試したのがきっかけですね。

――倉吉農高を経て、金沢学院大時代はチームの中心投手として活躍。4年秋には4試合連続完投勝利をあげています。ただ、卒業後は一般企業に就職しました。
井川: 大学の時点でプロの道は一度、諦めていました。仕事をしながら軟式野球をしていたのですが、正直言って、レベルが違うので全くおもしろくない。仕事内容も営業で、性格的に合わないと感じていたので、もう一度、硬式できちんと野球をやりたい気持ちが強くなっていきました。

――それでアイランドリーグを受験してみたと?
井川: いえ。最初は大学が金沢だったこともあって、BCリーグのトライアウトを受けようと考えていたんです。するとアイランドリーグのトライアウト会場が神戸のスカイマークスタジアム(現ほっともっとフィールド)だと知りました。「プロも使う球場で1回投げてみたい」。これが受験の動機です(笑)。

――気軽な応募だったんですね(笑)。それでもトライアウトに合格。2011年にまず愛媛に入団します。独立リーグに入っての印象は?
井川: 職業として野球をする厳しさを知りました。軽い気持ちで受けたトライアウトで採用されて、少しナメていた部分もあったのでしょう。練習はキツいし、監督やコーチからもいろいろ言われる。最初は反発しかかった時もありました。ただ、元プロの指導は納得できることばかりで、とても勉強になるんです。おかげで、球速ひとつとっても四国に来た頃は140キロを出すのがやっとだったのに、常時、140キロ台を投げられるようになりました。愛媛での1年間で、肉体的にも考え方もプロとして野球をやる基礎ができたと感謝しています。