池上彰×津田大介 【第2回】「テレビを見ない池上さんがテレビに出るのはどうしてですか?」

共著『メディアの仕組み』記念対談

池上: ああいうものがあってもいいなと思うんですが、そこに出てくるブログを一つひとつ読んでいくのも面倒くさいな、というのがありますね。それでものすごく気力体力時間を消費してしまうな、というのがあって、ヒマなときならいいんでしょうけどね。

オールドメディアがTwitterを活用し始めた

津田: そういう意味では、朝日新聞というオールドメディアの代表格みたいなところがハフィントン・ポストと連携してやっていくとか、最近では、朝日新聞の記者たちがTwitterアカウントを登録して、デスクとかキャップのチェックを経ないで情報発信をしているんですね。

たとえば、ちょっと前に騒がれていたトルコのデモやエジプトのデモなんかでも、向こうに行っている神田大介さんという朝日新聞の優秀な若い記者が、いくらトルコのデモの記事を書いても本紙では採り上げてくれないのに、その代わりAKBの総選挙の記事が大きく載っていて、「なんだよ」ってソーシャルメディアで愚痴ってて、それが可視化される(笑)。

怒っていながらも、それをどんどんTwitterで実況のような形でかなり刻銘なリポートを書いていて、それがリツイートなどの形で広まっていくというのがあって、NHKでも「NEWS WEB」みたいな番組があるんですけど、ああいうふうに、NHKや朝日新聞のようなお堅いメディアが、ネットを取り込みながら新しい取り組みを始めているというのは、池上さんはどう評価されていますか?

池上: それは、世間が勝手にお堅いと思っているだけであって、全然お堅くないですね。本当に自由な空間ですから、何か新しいことをやってみようや、と。だって、深夜のニュースに津田君をコメンテーターで呼んじゃうくらいで、そういうことを実はいろいろやっているということですよ。

津田: そういう意味では、ずっとオールドメディアをご覧になっている池上さんが注目しているような、「ああ、新聞社やNHKも変わったな」と思われる出来事って何かありますか?

池上: まあ、Twitterを使い始めたな、というのがありますね。それで言うとNHKがニュースのなかでいろいろTwitterの反応を出すようになったら、民放が昼間のワイドショーで同じことをやり始めたでしょう。すぐ真似するんだよなぁ(笑)。オリジナル性がないな、とガッカリします。本当に最初にやるのが実験的で素晴らしいな、と思いますけどね。