池上彰×津田大介 【第1回】「オールドメディアを過大評価する必要はないということを伝えたいのです」

共著『メディアの仕組み』記念対談

津田: じゃあ、スポーツ新聞は含まれていないんですね。タブロイド紙はどうですか、日刊ゲンダイとか夕刊フジとかは?

池上: 夕方になると、駅のキオスクで見出しだけチェックしますね(笑)。東スポなんかは「うわー、衝撃的だなー」と思いながら、どうせ重なっていて見えないところに「・・・か?」という字が隠れているに違いない、とかね(笑)。

津田: じゃあ、週刊誌なんかはいかがですか?

池上: 週刊誌はちゃんと新聞に懇切丁寧な広告が出ていますから、それを見れば大体わかります(笑)。

津田: なるほど、広告とか中見出しを見ればわかる、と。

池上: もう、買わなくても想像できるということですね。

津田: 池上さんくらいになると、移動は電車なんか使わないんじゃないかと思っていたんですが、そうでもないんですね。

池上: いやいや、ちゃんと今日だって朝の満員電車に乗って東工大まで行きましたよ(笑)。

津田: でも、そういうときに満員電車のなかに池上さんがいると、乗っている人にビックリされませんか?

池上: 時々、私の顔をまじまじと見てビックリしている人がいますけど、朝の満員電車はみんな自分が会社や学校に行くのに必死だから、周りの人のことをあんまり意識していないんですよ。ほとんど気づかれたことはないですね。ただ、夕方や夜、酔っ払いがいる電車に乗るのはちょっと辛いので、タクシーを使うのはそのくらいですかね。

タクシー運転手は、景気指標になりづらくなった

津田: この『メディアの仕組み』のなかでも印象的なエピソードとして、タクシーに乗っていたら運転手さんが池上さんに気づいて、「あの時事問題はどうなっているんですか?」と解説をさせられて、最後に池上さんのほうがお金を払って降りる、という話がありましたね(笑)。

池上: いやぁ、それでちょっとはタクシー代を負けてくれる人がいるかと思ったら、それで負けてくれた人はまったくいなかったですね(笑)。

津田: ああ、一度や二度の話じゃないんですね(笑)。

池上: ええ、本当にしっかりとお金をとられますね。