三田紀房『砂の栄冠』に学べ!
高校野球を"興行"の視点から分析する「甲子園研究所」
講義(4)センバツ21世紀枠徹底攻略マニュアル

助手 確かに。古いOBたちがこぞってアルプスに詰めかけますもんねぇ。地味で観客の入りが悪いセンバツでは集客力は大きな魅力ですもんね。

所長 その通り。その他では、時事問題にも左右される。'03年の柏崎(新潟)のときは北朝鮮拉致被害者の蓮池薫さんの母校ということで話題になったね。また、'07年の都城泉ヶ丘(宮崎)のときは宮崎県知事に就任した東国原英夫さんの母校ということで"東国原枠"と言われたりもしたね。

助手 夏と違って予選はないし、秋の大会からも、出場校発表からも期間があく。やっぱり、センバツは話題がほしいんですねぇ・・・。その他に選ばれるポイントは何でしょう?

出場を果たすには"いい子ちゃん"戦略!?

一番最初にできること、挨拶は明るく正しく!

所長 それはズバリ"いい子ちゃんになる"ことに尽きるね。推薦理由には、必ずといっていいほどボランティア活動や地域への貢献が入ってくるから。

お年寄りのために雪かきをしたとか、周囲の少年野球や中学野球に室内練習場を貸したとか、学校周辺の清掃活動をしたとか・・・。はっきりいって、野球とは関係ないことがポイントになる。

助手 いかに高野連が求める"いい子ちゃん"になれるか。"いい子ちゃん"は応援されますからね。前回の話にも出ましたけど、やっぱり、応援されるチームにならないと。

所長 そうそう。だから21世紀枠を狙うなら、まゆげは剃らず、あいさつは短縮しない正しい日本語ですること。これに部員数が少ないとか、グラウンドが狭いとか、練習時間が短いといった"困難克服"がプラスされると鬼に金棒だ(笑)。だから、そういったチームは各地区の高野連が何が何でも甲子園に出そうとする。毎年のように推薦校になるんだから。

助手 ホントですね。'08年の成章(愛知)は3年連続で東海地区の推薦校に選ばれて、ようやく甲子園切符。同年の華陵(山口)も2年連続中国地区推薦校を経ての選出。'04年の八幡浜(愛媛)、'09年の彦根東(滋賀)、'11年の大舘鳳鳴(秋田)も2度目の地区推薦での出場。

高野連が出したい学校があって、そこが秋に好成績を挙げればほぼ間違いなく候補になる。それが出場を果たすまでくり返されるんですね。

所長 わかったでしょ、高野連の意図が(笑)。最近は推薦校がかぶりすぎて、30年以上甲子園から遠ざかっていることや秋の大会でベスト8(ベスト16)という条件が、「原則」と緩和されたほどだから。そのうち、出尽くしちゃうんじゃないの(笑)。

まぁ、公立校に好投手が複数揃うことは稀だからね。連戦になる夏を勝ち抜くことは難しい。秋なら涼しくて連戦も少ないし、強豪校の打線もまだ完成されていない。好投手が一枚いるだけで狙えるんだ。