[ボクシング]
近藤隆夫「“志高きモンスター”井上尚弥への期待」

スポーツコミュニケーションズ

「亀田方式」を否定

「パンチ力とスピード」「当てるのではなく、しっかりとパンチを打ち抜ける」「パンチの打ち分ける角度とコンビネーションの多彩さ」「距離の取り方と攻めのタイミングの良さ」「当て勘の良さ」……。井上の強さについては、さまざまに言われるが、最も注目すべきは志の高さだろう。

 彼は、大橋ジムに入門する際、ひとつの条件を出している。それは「強い選手とマッチメイクしてほしい。弱い相手とは闘わない」というもの。

 この言葉の持つ意味は何か? それは戦績だけを輝かしくするために、モチベーションの怪しい外国人選手との試合を重ねるのは御免だということである。つまりは、ファンをあざむく「亀田方式」を否定したのだ。

 亀田興毅はデビュー直後、モチベーション高く自らに挑んでくる日本人選手との対戦を避け続けた。だが、井上は違う。過去の実績を誇示し、それに頼るのではなく、まずはライトフライ級で日本で一番強いと言われる相手と真摯に対峙する。この違いは志の高低を表しているのではないか。