子宮頸がん 原因をめぐってこんな大論争ご存じですか

週刊現代 プロフィール

 そして『裏切ったんだから、俺の手助けがあるなんて思わないでくれよな』って……」

 女性は自分ひとりで子宮の全摘手術を決断した。そして退院後、すぐに夫に手渡された離婚届に判を押した。

 たしかに夫と結婚する前にも男性経験はあった。しかし結婚して以来、彼女は夫以外の男性と性的な関係を持ったことなどなかったのだという。

 子宮頸がんは、たくさんの男と遊んでいる女がウイルス感染してなる病気—。巷では、そのような俗説が蔓延している。

 この夫のように、

(1)自分はとくに健康に問題がない

(2)それなのに妻が子宮頸がんになった

(3)だから妻は浮気しており、その相手からウイルスをうつされたに違いない、などと考える男性も少なくない。

 現在、日本では毎年約1万5000人もの女性が新たに子宮頸がんにかかり、約3500人が命を落としている。女性のがんとしては乳がんに次いで罹患率が高く、20~30代の女性がかかるがんの第1位ともなっているのだ。

 最近では、予防のためのワクチンで重篤な副作用が出たのではないかと疑う母親たちの活動で、厚生労働省がワクチンの接種を「積極的には勧めない」と発表。あらためて子宮頸がんという病気に注目が集まったが、行政も対応はまだ混乱している。

 また性の話題に関係するだけに、新聞やテレビなどの大手マスコミでは、突っ込んだ議論が伝えられていない。

 ましてや、一般の我々には、その知識が十分に普及していないのだ。

 自らも子宮頸がんを経験し、現在はこの病気に関する知識の普及を目指す一般社団法人パール・オブ・ウィズダム・ジャパン理事の難波美智代氏はこう話す。

「中高年の男性向けの講演会などでお話ししても、女の体のことなど知らんという感覚の男性が多いという実感はありますね。

『でも、子宮頸がんは男性とセックスをしないとならないんですよ』とお話しすると、なぜか『あなたはセックスが好きなのか』とびっくりするようなことを訊いてこられる。正しい理解があれば……といつも哀しくなります。

 好きかきらいかは関係ない、この病気は誰にでも関係あるのですよと伝えて、ようやく話が噛み合うようになるんです」