今回はインタビュー本文に入る前に、事業の説明をしておきたい。コラボラボの活動は大きく二つ。まず、女性経営者支援事業だ。女性社長支援サイト「女性社長.net」を運営し、1300名の会員を持つ。09年から女性社長約300人が集結するイベント「J300」を開催。また、女性社長の逸品を販売する「Wooooomen's!(ウィーミンズ)」を企画・運営している。
もう一つは、広報・提言活動だ。女性の活躍できる機会づくり、そして女性経営者の活躍推進に関する提言・発信に邁進している。
起業したい人のためではなくて、起業した人のための事業をしています。つまり、起業促進よりも、事業継続支援です。女性社長は、会えば会うほど面白い方がいっぱいます。でも、資金難や人脈不足を理由に、販路が開けないなどのチャレンジも多いです。そこで、情報提供やネットワークづくり、上場企業などの従来エコノミーとの接点を提供しています。
例えば、中小機構の創業補助金は、女性や若者にフォーカスしていますが、案外知らなかったり、活用していない人が多いので、積極的に申請のアドバイスなどをしています。なお、個別の相談に対応するよりも、会員向けに環境をつくることに注力しています。その方が、多くの人にメリットを返すことができ、困ったときに何か聞ける場にもなっています。
互いに情報を出しあって助け合うメーリングリストのように、そういった場に参加し、主婦インターン制度はこうやるといいよとか、積極的に情報をシェアしてくれる方がいることはありがたいです。
日々情報を出し合ったり、イベントに参加していただいていると、こちらも特徴やPRポイントが分かるわけで、ふとしたときに紹介したり、縁につながることも多くあります。
逆に、即物的なメリットだけに反応する人は、ネットワークに不向きです。人脈を焼き畑式にというか、即換金できなかったら捨てるとかだと、長い目では生き残るのは、たやすくないかもしれません。
ある会員は、「色々な女性社長の会があるけど、こんな人もいるんだと思うくらいバラエティに富んで勉強になる。それから、みんな凛としてるけど、キラキラし過ぎた人がいない」と語っています。徒党を組むわけではないですが、自分だけが駆け上がっていくという人は少ないですね。
相互に貢献し合うコミュニティは、いまや米国では新たな常識として定着しつつある。つまり、先生役がいて、個別に問い合わせる階層モデルは、もはや限界があり、そのコミュニティの参加者同士がつながることで、より速く、質の高い知恵が得られるのだ。
「女性社長.net」も同様なコンセプトで、会員に場を提供している。階層型どころか、横田社長はじめコラボラボが縁の下の力持ちというか、お膳立てのポジションをとっていることが、このコミュニティが継続している所以だろう。