特別対談 金本知憲×下柳剛
鳥谷、藤浪……阪神を変えた男たちを語ろう

フライデー プロフィール

金本 オレは試合に出たいとは思わんね。現実問題、脚作ってダッシュして体起こして……ってなると。

下柳 時間かかるからな。その点ピッチャーはボールの感覚の戻りが野手とは違うから、復帰しようと思ったら早いかも。

下柳 今シーズンの阪神ね。調子いいと言っていいんじゃない? 貯金は11、巨人とは3・5ゲーム差か(7月8日時点)。

金本 西岡(剛)、マートン、投手の能見(篤史)。ここらへんが調子ええよな。西岡は脚が心配やけど。打撃や走塁より、守備のときにかばってるように見える。

下柳 状態がよければもっと走れる。盗塁はホントうまいもん。

金本 これはお世辞じゃなくてうまい。セカンドランナーにいたらずっと走るフリしよる。「走るタイミング、計ってますよ~」って。

下柳 そう。セカンドランナーをしっかり目で抑えんといかんから、ピッチャーはいらん神経をひとつ使うことになる。

金本 今シーズン出てきた選手でいえば、藤浪(晋太郎)やな。19歳で5勝してるんだから充分でしょ。でも最近、ちょっと慣れが出てきてるね。

下柳 あと、ナチュラルなシュート回転をちょっと気にするようになってから打たれ出した。どうせならもっとボールが暴れてくれればいいのに。それまで左バッターに対して、インコースを狙ったボールがアウトコースぎりぎりにいくから打たれてなかった。シュート回転のボールが減った分、打たれるようになった。

金本 シュート回転は、逆に武器でもあるのにな。

下柳 オレが注目してるのは中継ぎの加藤康介。2回の戦力外通告を乗り越えてきた苦労人が、今年は防御率0点台でがんばっとる。ようやっとるよ。

金本 でも、今年の阪神は、外から見てる限り大きく変わったと感じる部分はあまりないね。「明るくなった」って言われてるけど、去年だって別に暗くない。勝ってるから明るく見えるだけ。連敗したら誰も明るいなんて言わんでしょ。

下柳 カネという精神的支柱がいなくなった影響はあるかもしれんね。厳しいことを言う人間がいなくなったから。オレにとって印象的だったのが、今季初のサヨナラ勝ちを決めた4月2日の中日戦。西岡のサヨナラヒットが出る直前、無死一塁の場面で小宮山(慎二)がバントを2球失敗して……。

金本 それでセンター前にヒット打った。