古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン動画版Vol.006 「新規制基準施行で原発の安全審査はどう変わるのか?」ほか

古賀 茂明 プロフィール

この夏の節電について

古賀: 次の話題なんですが、いよいよ夏本番がやってきます。本州ではまだちょっと梅雨は明けていないんですけれども、沖縄では梅雨が明けました。去年、一昨年あたりは、東京電力、それから関西電力と続けて、電力が足りないということで、大節電キャンペーンが行われましたよね。目標値を作って、何%削減しましょうと、各電力会社がやったんですけれども、今年はそういう目標値が出てこない。

Gbiz: どうも作らないということみたいですね。

古賀: そういう状況になっていますね。節電というのはやったほうがいいんですね。だけど、そう言うと、「この間もひどい目に遭って、大変な苦労をして節電しました。これ以上はもうできないし、あんな苦労をずっと続けるというわけにはいきません」というような声もあるんですけれども、かなり多くの企業、あるいは家庭では、思い切り頑張ってみたら、けっこう節電できたよね、と。

Gbiz: そうなんですよね。

古賀: かつ、それっていうのは直接、懐にプラスの効果があらわれる。頑張ったら頑張っただけ電気代が浮いて、これだけ得しました、ということがわかったので。

Gbiz: いや、そうなんです。会社の規模にもよりますけれども、大きな企業であればあるほど、ちょっと節電すればこれだけ浮くんだということがわかっちゃって。

古賀: これだけ得をするということが一回わかってしまうと、それをわざわざ元に戻すインセンティブはあんまりないんですよ。今年はちょっと電力に余裕がありそうだから無駄遣いしちゃおう、と思うほうがおかしいわけですよね。

 去年、一昨年あたりは、節電といったってそんなに何年も続けられないですよという議論があったんですよ。でも、結局、去年も何で電力が足りたかというと、予想以上に節電が進んだということがあるんですね。そのかなりの部分は習慣性のものというか、1回節電したら、それがずっと続くという。

 そうすると今年も去年並みに節電が行われて、さらに、省エネ機器もどんどん普及していますので、一段と省エネが進むかもしれない。企業のほうも去年の経験を踏まえて、今年はこうやろうというふうに考える時間的余裕もありましたから、実際にかなり節電が進む可能性があるんですね。

 ところが、そうなると困るのが実は電力会社なんですね。彼らはいま、非常に不安を覚えています。というのは、彼らからしてみると、原発は全基稼働したいぐらいで、全基稼働はできないと思いますけれども、かなり再稼働したいという気持ちを持っていまして、でもそうなると電力が余ってしまうわけですね。

 原発再稼働ができたはいいけど、本当にその分を売れるのかという不安がある。彼らの気持ちからいえば、本当は、またオール電化キャンペーンをやりたいなという感じだと思うんですよ。そういう背景があるので、節電目標を、数値目標として掲げるなんてとんでもありませんよ、と。やめてください、と。こういうことで、今回は節電目標がなくなっちゃったんだろうなと、僕は思いますね。

 これは本当に残念なことですね。やはり今年も、皆さんさらに知恵を出してやってみましょう、あるいは省エネ機器とかに買い替えて、省エネを進めましょうというキャンペーンをやって、目標をさらに5%上積みします、みたいなことを言えば、さらに勢いが付くと思うんですよ。

 電力料金が上がると言っていますけれども、たとえば10%上がったとしても、10%使用量を減らせば、支払う料金は変わらないですね。別に原発が止まった責任というんではなくて、円安で燃料代が上がっちゃって、それで電力料金が上がるという部分がありますので、その分をなんとか防衛策で軽減するという意味でも、節電は大事だと思います。

 本当はもう1回数値目標を掲げてほしいんですけれども、やはり無駄な電気を使っていても得なことは何もないんで、節電のために知恵を出したり、あるいは前向きな先行投資をしていただけたら、日本はもうちょっとよくなるかなと思います。・・・・・・