古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン動画版Vol.006 「新規制基準施行で原発の安全審査はどう変わるのか?」ほか

古賀 茂明 プロフィール

東京都議選の結果と参院選の展望

古賀: 次に、今日は都議選の結果が出ましたので、それについてお話したいと思います。もうこれ、皆さん、一目見てお分かりの通り、そして報道されている通り、自民圧勝です。公明は一応現状維持ですが、全員当選です。自民も大幅増の上に全員当選という、もうほとんど奇跡的な大勝利ということだと思います。全員当選とまではいかないまでも、かなりいい線までいくんじゃないかと言われていたのが、ほぼ予想通りの結果になった、と。

 一方で、これも予想通りなんですけれども、民主党が大幅に議席を減らして、共産党にまで負けちゃったという状況で。これは民主党の危機感のなさというか・・・。みんな言っていたわけですよ。いまのままじゃジリ貧ですよと。ジリ貧どころか大幅減で、もう完全に立ち直れないんじゃないか、このままでは民主党は本当にダメになっちゃうんじゃないか、と。

Gbiz: 消滅の危機みたいな。

古賀: ねえ。そこまで言われていたんだけど、結局、何か思い切った手を打つということもなしに、そのままズルズルといってしまった。安倍批判をしましたけれども、あれもちょっと、あまりに手がなさすぎるような感じでした。有権者がもう一回民主党のことを見直して、じっくり見てみようというところにはまったく来なかった。「もういいよ、民主党は」という感じのまま、選挙が終わってしまったと。そういう感じですね。

 対立軸を作れなかったとか言うんですけれども、対立軸の前に、民主党が何を考えているかというのがほとんど分からなかったですよね。たとえば、原発の話にしても、野党になった途端に・・・。一応、脱原発とかいろいろ言っていますけれども、やはり政権にいたときに何をしたのかというのはみんな覚えていますからね。「2030年代ゼロ」というのを決めておいて、ひっくり返したりとかね。前原さんとか、細野さんとか、ああいう人たちの顔を見ると、いや、この人たちは原発推進だろうねというのが見えちゃうので、そういう中で取って付けたように何か言っても、全然信用してもらえない。

Gbiz: 全然本気度が感じられないですよね。

古賀: そうですね。それから憲法改正も実は大きな争点だった。国政ではですね。都政ではもちろん争点ではないんですけれども、そこらへんも、とりあえずみんなが96条の先行改正はおかしいという声をあげていたので、一応それに乗っかって、それだけは言ったんですね。手続きの改正を先にやるのはどうか、と。だけど、中身については何も言えなかった。9条をどうするつもりなのか、あるいは、その他の改正をどうするのか、ということについての明確なスタンスは示せないまま。

Gbiz: イメージで、安倍さんが右傾化しているということを言いたいがために使ったというのはありますけれどもね。

古賀: そうですね。ですけど、結局、中にいる人たちには、前原さんみたいに、安倍さんと同じぐらい右じゃないかというような人もいて、むしろ憲法改正したいという人もたくさんいるわけですから、そういうのも有権者には見えていたわけで、結局、自民党との違いもはっきり出せないまま終わりました。ただ自民党を批判しているだけという、そんな感じで。何を考えているか分からないまま終わってしまったな、と。このまま行けば、参議院選も同じような構図になるな、と。

Gbiz: 途中、橋下さんの慰安婦発言とか、そういうのがあって、維新がすごく落ち込んだということで。

古賀: 落ちましたからね。それにちょっとこう、その部分が民主党に流れてくるかという。

Gbiz: ちょっと甘い期待みたいな。

古賀: 期待しちゃったんでしょうけど、蓋を開けてみたら、まったくそんなことはなかった。流れてきたのは結局、共産党とみんなの党ということなんですけれども。共産党が躍進した理由には二つあって、一つは投票率が低かったということです。投票率が低くなれば当然、浮動票は少なくて、組織票が強いところが有利ということで。

 公明党はもちろんそうですし、自民党も後援会、基盤というのがしっかりしている人が多いのと、それから業界団体を駆使するということで組織票を集めたんですね。共産党ももともと非常に組織が強い党ですから、投票率が下がったことによって議席が増えたということですね。

 でも、それだけかというと、そうではなくて、やはり自民党と民主党で行ったり来たりしているんだけれど、結局、自民もいや、民主もいや、安倍さんがどんどん右傾化していくのを見て、これは危ないぞと思った人たちがいる。で、他に受け皿がないので、だったら共産党に入れてやる、みたいな流れ。そういう、消去法的に共産党に入れたという人もかなり多いんじゃないかと思うんですね。私の周りでも「もう共産党しかないよ」なんて言っている人がかなりいて、そういう票が集まったんじゃないかなと。

みんなの党は予想以上に善戦しました。

Gbiz: 維新と一緒に沈没するんじゃないか、みたいな見方もありましたけどね。

古賀: そうですね。維新とは一応差別化しようとしたんですけれども、結局、同じように見られてしまいました。維新は慰安婦発言があるから、その分また、一つハンデがあったと思いますけれども。

 本当は、第三極への、維新とみんなが共闘して、かなり大きな勢力になるという期待感があれば、じゃあ投票に行こうかという人がもっといたかもしれないんですけれども、今回は、どっちみち、どう考えたってたいしたことはないよというふうに見える中で、両方が沈没すると見られていたんですね。その中で、みんなの党は、議席は7倍増、そういうところまで持ってきました。本当であれば二桁以上はいきたかったんでしょうけれども、それなりに善戦したと見ていいでしょうね。

 理由は、やはり受け皿を探して、自民も民主もいやだという層が確実にいるんだけれども、その中で維新があの慰安婦発言で票を落としたというのもあります。もう一つ、維新というのは実は、非常に右傾化しているんじゃないかという懸念を払拭できなかったということですね。・・・・・・