[アイランドリーグ]
香川・又吉克樹「憧れの館山(ヤクルト)と同じ舞台へ」

2013年注目選手に訊く Vol.1
スポーツコミュニケーションズ

きっかけは打撃投手

――本格的にピッチャーを始めたのは大学進学後だとか。最初からサイドで投げていたのですか。
又吉: 高校(沖縄・西原高)時代、本職はセカンドでしたが、コントロールがたまたま良かったので、1年生からバッティングピッチャーをやらされていました。毎日200球近く投げていると、上から放るのはしんどい。それでどんどん腕を下げてラクに投げられるところを探していたら、今のフォームになりました。

――高校時代、打撃投手をやらなかったら、普通の選手で終わっていたかもしれない。
又吉: そうですね。高校時代はイヤイヤやっていたのが、結果的には良い方向に転がりました。ただ、バッティングピッチャーは打たせるのが目的だったので、大学入学時点でもストレートの球速は110キロ台でした。

――それが今はMAX147キロ。球速が伸びたのは、何かコツをつかんだのでしょうか。
又吉: 本格的にピッチャーをやって体も大きくなったので、知らず知らずのうちに球速が上がっていきました。高校時代は身長が160センチ台だったのに、大学に入ってからも7センチ背が伸びて、体重も10キロくらい増えたんです。

――ピッチングは常にセットポジションから。これはコントロール重視?
又吉: 大学でピッチャーを始めた頃はワインドアップでも投げていましたけど、僕は経験が浅いので2つの投げ方で何試合も投げているとフォームにズレが生じてしまう。フォームが乱れればコントロールも狂います。だからセットに絞ってテンポよく投げられるように徹底したほうがいいだろうと思いました。

――セットで147キロ出るなら、ワインドアップだと、もっと速いボールが投げられるのでは?
又吉: それは周りからよく言われますね。でも、僕のセールスポイントは球の速さではない。キレとコントロールの良さが自分の売りです。サイドでしっかり伸びのある球を投げることが目標で、それを追求した結果、球速も出るようになりました。

――4日のフューチャーズ戦では球速自体は140キロ前後でしたが、NPBのバッターが振り遅れたり、バットが折れるケースが多かったですね。
又吉: キレの部分では良かったのかなと感じました。いくら速いボールでも高めに浮いてしまっては打たれてしまいます。逆に140キロ台でもキレがあって、いいコースにピンポイントで決まれば打たれないでしょう。僕はバッターをパワーでねじ伏せるタイプではありません。そこでは競わないように、今後も心がけていきたいです。

――投げる際に1度、キャッチャーミットから目を離し、リリースポイントのほうを見る(写真)のも特徴ですね。
又吉: 大学時代のコーチから「しっかり前でボールを離せばリリースポイントが見える」と言われたので、その瞬間を見てみようと思って
投げていると、いつの間にかクセになっていました。確かに調子がいい時はリリースポイントが視界に入る。僕にとっては状態の良し悪しを見極めるバロメーターになっています。「ミットから目を切るとコントロールが安定しない」と言う人もいますけど、リリースポイントがしっかりしていればコントロールはブレないと思います。