マッキー牧元の「おいしいトレンド」従来のバーの常識を変えるロンドン発「ミクソロジー」

〔PHOTO〕gettyimages

 ミクソロジーカクテル(MIXOLOGY COCKTAIL)とは、ロンドン発祥の新たなカクテルの概念である。「パブでビール」が主流だったロンドンに、2000年頃より「素材にこだわったカクテル」のブームを巻き起こしたのは、「69 Colebrooke Row(69コールブルック・ロウ)」のオーナーバーテンダー、トニー・コニグリアーロ氏である。

ニューヨークにも飛び火した新感覚カクテル

 アートやファッション業界からバーテンダーに身を転じたトニー氏は、従来のカクテルにみられたリキュールやフレーバーシロップを一切使用せず、新鮮なフルーツや野菜、ハーブ、スパイス等、様々な新鮮な素材を用い、スピリッツなどと組み合わせた。素材そのもののうまみと複雑な香りを楽しむ、新感覚のカクテルである。

 ミクソロジーとは、英語のmixミックス(混ぜる)と~ology(科学、学問)という言葉を合わせた造語で、トニー氏は化学実験をするかのごとく、素材を組み合わせてカクテルを作る。  

 その後ミクソロジーブームは、ニューヨークにも飛び火して、そうしたカクテルを生み出すバーテンダーは、ミクソロジストとも呼ばれ、人気を呼んでいる。

 一方、日本でもそうした動きとは別に、2000年ごろから恵比寿のバー『ODIN』を中心として、新鮮な果物を使ったカクテルが流行りだした。フルーツトマトを使った「ブラッディマリー」、根ショウガを使った「モスコミュール」、無農薬レモンを使った「ジンフィズ」など、当初は従来のカクテルに、吟味した果物を使うやり方であったが、その後果物の味を主体として、様々なカクテルを作り出すようになる。

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