[裏方NAVI]
ニッタク(日本卓球)<前編>「『佳純ベーシック』で世界の8強」

スポーツコミュニケーションズ

変わりゆく世界の主流

ほとんどのトップ選手が使用している「シェークハンドラケット」

 卓球は競技としてのみならず、誰でも簡単に楽しむことができるレクリエーションとしても日本人には馴染みの深いスポーツのひとつだ。その卓球で使用される用具のひとつ、ラケットには大きく分けて3種類ある。「シェークハンドラケット」「日本式ペンラケット」「中国式ペンラケット」だ。ここでは日本で多く使用されている「シェークハンドラケット」と「日本式ペンラケット」を説明したい。

 現在、世界の卓球界で主流となっているのがグリップを握手するように握る「シェークハンドラケット」(写真)だ。ラケットの両面にラバーを貼り、フォアハンドとバックハンドとでは使用する面が異なる。一方、これまで古くから日本で一般的に用いられてきたのが、ペンを持つようにグリップを握る「日本式ペンラケット」(写真)だ。これは片面だけにラバーを貼り、同じ面でフォアとバックを打つ。

国内で馴染みの深い「日本式ペンラケット」は強烈なフォアショットを繰り出す

 各ラケットの特徴を松井課長は次のように説明してくれた。
「日本式ペンラケットは、フォアハンドを武器とする選手に向いています。手首を使いやすいので、台上のボールを処理しやすいという利点もあります。ただ、バックは手首を外側にひねるようにして面を出して打つようになるので、打ち返すというよりは押し返す感じになってブロックはやり易いのですが、攻撃時の威力は落ちる。だからトップレベルではフットワークをいかしてフォアに回り込むというスタイルが多いですね。でも、どんどんスピードが増している現代卓球では、いかに前で素早く対応し、攻撃できるかということが重要になってきています。ですから、バックでも強く打ち返せるように両面を使えるシェークハンドを使う選手が現在は日本でも世界でも非常に多いんです」

 また、ブレード部分(打球面)の板の構成や大きさ、ラバーの種類は、プレースタイルやレベルなどによってさまざまだ。日本式ペンは9ミリの厚みの1枚の木板(桧単板)を好む選手が多く、一方のシェークハンドは複数の板(合板)を使用する選手がほとんどだ。合板の枚数は3、5、7、9枚等があり、一般的に枚数が多くなるほど打球の弾みが良くなり、威力あるボールを打つことができる。だが、その分ラケットの重量も増え、パワーや高い技術が必要とされる。基本的には最も扱いやすいのは5枚合板で、競技者レベルとなると、現在世界トップ選手の傾向としては男子は5枚合板にカーボンなどの特殊素材を挟んだもの、女子は7枚合板を使用している選手の割合が増えている。

 石川もまた、ロンドン五輪前にそれまで使用していた5枚合板から7枚合板をはじめ様々なラケットを試してきた。世界のトップ選手たちと対戦するなかで、求め始めたのが威力だったからだ。それだけ彼女の技術レベルやパワーが上がったということでもある。