猛暑が予想される今夏、企業が採るべき節電・省エネ対策とは?  (株式会社住環境計画研究所 代表取締役会長 中上英俊)

中上英俊氏 (株式会社住環境計画研究所 代表取締役会長)
 日本気象協会が6月25日に発表した3ヵ月予報によると、この夏の平均気温は、北・東日本で平年より高い確率が50%、西日本では平年並または高い確率ともに40%と、平年並みかそれ以上に暑くなることが予想される。それに伴い当然、電力需要も高まるだろう。
 一方、国内の原子力発電所は、関西電力管内の大飯3号、4号を除き、すべてが運転停止中だ。この夏も、電力不足や節電が話題になることは間違いない。
 そうした中、平成25年度改正省エネ法が成立した。企業はこの夏、どういった節電・省エネ対策を採るべきなのか、株式会社住環境計画研究所の中上英俊会長に聞いた。

この夏、全国的に電力不足が避けられない

 先日閉会した第183回通常国会で、平成25年度改正省エネ法が成立しました。この改正省エネ法のポイントは、ふたつあります。

 まずは、トップランナー制度(エネルギー消費機器の製造・輸入事業者に対して高い基準を満たすことを求めるもの)の対象に、建設材料等、みずからはエネルギーを消費しない製品を追加したこと。

 もうひとつは、需要家に対して、電力需要ピーク時に、系統電力の使用を低減する取り組みを行った場合に、これをプラスに評価するというものです。プラス評価の具体的な内容はこれからの検討課題ですが、これは、多くの企業に影響を及ぼす変更です。

 過去の省エネ法は、電力需要のピーク時(主に、夏の平日の午後早い時間)に関する規定がなく、電力の使用量を全体的に減らすことを目的としたものでした。今回初めて、ピーク対策が盛り込まれた格好です。

 しかし、このピーク対策は、もともとの省エネ法と矛盾しています。これまでの省エネ法では、需要家に対して、原単位で年間平均1%の改善を努力目標として定めています。ところが改正省エネ法の成立を受けて、電力需要のピーク時に系統電力の使用を控えるため、自家発電装置などで必要分を補う需要家が現れることが予想されます。

 自家発電装置はたいてい、大規模な発電所に比べてより効率の悪い発電システムです。そこで作り出される電力は、非常に効率の悪いプロセスを経て作り出される電力ということです。原単位で年間平均1%の改善をしたいなら、自家発電装置は稼働させるべきではありません。

 にもかかわらず、ピーク時の系統電力使用低減を国が推奨したのは、この夏、多くの原発で再稼働の見込みが立たず、電力不足が避けられないからです。

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