朝ドラ『あまちゃん』番組スタッフが明かす面白すぎる「東京編」のロケ現場

週刊現代 プロフィール

 批評家の宇野常寛氏は、朝ドラのモチーフである「各地方を代表する女の子」を、アイドルグループとして劇中にとり入れた宮藤氏のアイデアに注目する。

 その名を一見して分かる通り、GMT47はAKB48のパロディで、古田新太演じる大物プロデューサー、噦太巻器は秋元康のデフォルメされた姿だ。東京編の舞台となる'09年はAKB48が初めて単独で紅白歌合戦に出場するなどブレイクした年。すべてを計算した上で、脚本家・宮藤官九郎は現実と物語とを絶妙にリンクさせている。

「Jリーグのように地元を代表するアイドル同士を競わせるというのは、AKB48グループが実際に今やろうとしていることでもあります。宮藤さんはこういった『現実』の社会現象を、作品に批評的に取り込むのが得意な作家です。

 GMT47はいっそのこと実際にやってみると面白いかもしれません。宮藤さんは物語よりも現実のほうが刺激的で、面白いということが分かっている。過酷な時代に現実を取り込むことで物語の力を確保してきた作家です。なら、僕らはこの物語を取り込んで現実を面白くしてやればいいんですよ」(宇野氏)

 東京編では宮藤脚本の「虚実ない交ぜ」ぶりにさらに拍車がかかると予想される。そして、ドラマのクライマックスは東日本大震災と大津波がモチーフになると目されている。3月11日は、劇中でどう描かれるのだろうか。

 大友氏は「すべては宮藤さんの頭の中」と断りながらこう言う。

「まだ先のことは分かりませんが、もし東日本大震災を描いたとしても、あのオープニングテーマを変更する予定はありません。もしかしたら、深刻な被害の描写の前に、あの軽快な音楽が流れることで批判が寄せられるかもしれない。

 宮藤さんは宮城県の生まれ。私は福島の人間で、3・11以後は震災の被害や、原発事故問題に向き合って来ました。厳しい現実も知っているつもりです。でも人間、どんな辛いことがあっても、前を向いて幸せに生きていきたいじゃないですか。『朝ドラ』は夢の世界。その15分の間は、幸せな時間を過ごして欲しいですね」

「週刊現代」2013年7月6日号より

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