朝ドラ『あまちゃん』番組スタッフが明かす面白すぎる「東京編」のロケ現場

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 そしてまた春子も、物語に深く関わり続ける。訓覇氏によれば、『あまちゃん』は「強い女性」の物語で、たくましい母親役を好演する小泉今日子あってこそ成り立つドラマであり、東京編でますますその存在感は増していく。愛娘のために上京するシーンも見られそうだ。

「母と娘の人生。それが今作の大テーマですが、舞台装置として、'80年代のアイドル文化というものがある。そこには、『あの時代』の象徴である小泉さんが必要不可欠なんです。アイドルを目指すアキは、かつての春子の姿でもある。

 アイドルを目指していた'84年の春子。現代の春子をはじめとした北三陸に生きる人々。そして母親が果たせなかった夢を追うアキ。東京編では、その3つのステージに、春子の過去などこれまでの故郷編で敷いた伏線がダイナミックに絡んでいきます。物語が中盤でこんなに展開するのは、僕の知る限り朝ドラでは初めてのチャレンジです」

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 ナレーションの担当が今までの宮本信子から能年玲奈に交代したのも、その「母と娘の人生」というテーマを意識したためだ。

「ナレーターの交代も朝ドラではあまりない試みかもしれませんね。今作の根幹は、夏、春子、アキという女3代の物語。そこで、時の流れとともに上の世代から下の世代へ受け継がれるものの一つとして、ナレーションも代わると面白いかなあと。

 能年さんのナレーションは素晴らしいですよ。現場でも、『こんなにできるとは』といい意味で驚いているんです。宮藤官九郎さんの書くナレーションは、語りの視点が次々と変わるので、とても難しい。当然、宮本信子さんは経験もあるしスキルは比べ物になりません。でも、能年さんの持ち味である素朴な感情表現や、チャーミングな個性がよく出ています」(訓覇氏)

 自他共に認めるあまちゃんウォッチャーで、コラムニストの中森明夫氏は東京編への期待をこう語る。

「ガラッと視点が変わるわけですよね。北三陸が舞台だったこれまでは、アキとユイの青春ドラマと、渡辺えりや木野花などが演じる海女や杉本哲太と荒川良々の北鉄駅員、塩見三省の琥珀掘りが織りなす熟年コメディがうまく合わさっていた。

 東京編にも北三陸の人たちは登場し続けるらしいですが、アキのアイドル修行という要素が加わって、これからどうなるのか。純粋に楽しみですね」

 なぜあまちゃんはこれほど人々を惹きつけるのか。最大の要因はやはり宮藤官九郎の手による脚本だろう。宮藤氏のストーリーテリングを訓覇氏はこう解説する。

「宮藤さんは、『枠』というものをすごく分かって頂ける人。朝ドラという枠に必要な物をきちんと押さえているんです。朝ドラの視聴者はドラマを見て元気になりたいし、ホームドラマとして楽しめるものを求めている。

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