特別読み物 松山英樹と石川遼二人の運命を分けたものは何か
残酷な、あまりに残酷な…新星に追い落とされたスーパーエリートもうダメなのか、
それとも…

週刊現代 プロフィール

 環境を変えることも一つの手だ。しかし、今季の成績を見れば、石川の敗因ははっきりしている。

「明らかにパットの正確さで松山が石川を上回っている」と沼沢聖一プロが語る。

「ことごとくパターを外したツアー選手権を見る限り、石川はパターの打ち方がわからなくなっているのではないか。パットの上手い松山はカップから5m以内にボールを寄せれば決められますが、現在の石川の場合、せいぜい2m程」

 実際、石川は惨敗に終わった初対決後、「春先からグリップが細く繊細なパターを使用しているがそのタッチが合っていない」とこぼしている。これについて沼沢プロはこう見る。

「調子が悪いとパターを変えるプロがいますが、松山は一切変えません。自分のパターで、自分のパッティングをする。石川にも自身のパットの型が必要です」

 松山の「パットの型」は一見すると、かなり前傾し、不格好である。松山のパッティングを石川の父・勝美氏はこう分析する。

「パターのグリップエンドを延長した先のへそあたりがストロークの支点になるように打つ、仮想アンカーリング(クラブを身体に固定する)スタイル。そこを支点にストロークすれば、安定し、ブレがなくなる道理です。ただ、この感覚を自分のものにするのは難しい。実は遼も試してみたんですが、結局、自分のものにはできなかったんです」

用具なんて気にしない

 ドライバーの飛距離は現時点では松山に軍配が上がる。松山は180cm、82kg。2年前、意識的に12kgも体重を増やした結果、ドライバーを軽く振って300ヤード飛ぶようになった。

「小粒が多い日本勢の中で青木功以来のスケールを感じる」とスポーツ紙ゴルフ担当デスクは語る。

「金田トレーナーと鍛えた松山の今の身体はゴルフをするうえで理想的でしょう。肩の可動域を失わないよう、胸板はじめ上半身はあまりいじらず、臀部が数インチアップして体幹が強化されている。下半身がブレない体力作りをしている。おかげで、風に強い曲がらない球が打てるのです」

 もちろん、石川が技術面において、松山を上回っている部分もある。前出の江連氏はスイングの完成度は石川に分があるとみる。