古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン動画版Vol.005 第3回 堀潤さんとの対談「オープンジャーナリズムという挑戦」

古賀 茂明 プロフィール

古賀: まず。原子力規制委員会が「原発の運転を再開してもいい」と言えば、運転再開に問題はないでしょ、というところに持っていきたい。そのためには、原子力規制委員会がいい加減な組織だと思われるのは困ると考えている。だから、相場感を一回引き下げて、国民の多くに「ああ、原子力規制委員会は頑張ったな」というイメージを持ってもらうようにする。

 たとえば敦賀の件なんて、すでに旧原子力安全・保安院が「危ない」と言っていたものですよ。「活断層かどうか、ちゃんともう一回調べ直さないと危ないですね」と言っていた。そう言ったということは、保安院自身が「これは活断層だから、廃炉にするのもしょうがないね」と思っていたわけですよ。

 それを規制委員会に組織が変わって、「活断層の可能性が高い」と言ったと。それに対していろんな圧力がかかって、結論を出すのが先延ばしにはなったんだけど、最後はそんな圧力をはねのけて規制委員会が活断層だと断定した、という形に持っていった。

 新しい安全基準はまだできていないにもかかわらず、敦賀の安全性については今回、どういうわけか判断できることになっている。どういうことかと言うと、2号機の真下にあるD-1断層については活断層だと断定して2号機の運転はまかりならんという結論を出したわけですが、すぐ近くにある浦底断層については、真下じゃないから運転に影響はないということにしてしまった。

 日本原電はD-1について活断層じゃないと否定し続けてきたんですが、規制委員会はそれをはねのけて活断層だと断定した。だから、規制委員会もなかなかやるじゃないかという評価になっている。でも、すぐ近くの浦底断層については、アメリカの基準で判断すれば絶対に近くに原発をつくってはいけないという結論が出るはずの断層なのに、D-1の議論に集中することで、「横にあるものはいいです」と言ってしまった。そして、その結論で確立しちゃうんですよ。

 これはもちろん、役人もわかってやっているけど、主体は自民党です。自民党は「われわれは専門家の言うことを全面的に信用します」「決して専門家の議論に口を挟んだりしません」という姿勢を見せて、「ほら、規制委は敦賀の再稼働をダメだと言ったじゃないですか」「だから、規制委は立派が組織です」というイメージづくりをしているなあと感じますね。

 TPPに関しても、日本の農業を必ず守りますと言って参加を決めたんですが、その前段階では、TPP参加に対して党内からも大反対の声を挙げさせて、参加するのは大変なことだというイメージを定着させ、その上で最後は「安倍総理の指導力があったからこそ参加を決定できた」という大団円を演出した。改革に邁進する安倍総理像を作り上げわけですよ。

 これで、日本国内はもちろんですが、海外もかなり騙されましたよね。あの演出によって、「アベノミクス=改革」というイメージになって、株価にも為替にも影響した。

堀: そうですね。為替は1ドル102円、株価も1万5000円までいきましたからねぇ。