古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン動画版Vol.005 第3回 堀潤さんとの対談「オープンジャーナリズムという挑戦」

古賀 茂明 プロフィール

古賀: 「こいつ、変なやつだ」という程度には思われていたはずなんですが、そのうちに課長とかになると、一気に許されない世界になってきますね。そういう統制の傾向がものすごく強くなってます。

 世の中の流れとしては、情報はなるべく公開したほうがいいということになっている感じがするし、命題としては正しいということになってきているはずなんですが、実際の現場では、役所から出る情報が以前より減ってきているんじゃないかと思います。

堀: そういう話のかけらはよく聞くんですけど、どうしてそんな状況になっているんですか。

古賀: 役所というのは、昔は情報についてかなり独占しているし、圧倒的優位に立っていたと思うんですよ。だから、ある意味、ちょっとぐらい変な情報が出たりしても、役所主導で何でも決められるという、自信がかなりあった。

堀: なるほど。そうですねえ。

古賀: それが、インターネットの発達もすごく影響していると思うんですけど、官僚の絶対的優位性がかなり揺らいできた。ちょっと気を抜いていると、むしろ外の人のほうがいろんなことを知っていたりする。情報の優位性が、かなり薄れてきているんですね。そういう中で、統制されない形で情報が出てきたり、異論を言う役人が出てきたりすると、自分たちの好きなようにできた従来の世界が限定されてしまうという警戒感や脅威がある。

 だから逆に、混沌としてきた秩序をなんとかして自分たちの思う方向に秩序づけていくかとか、誘導していくかなどのことについて、ものすごく意識が高まっているんですよ。

堀: なるほど。

古賀: だから、よくマスコミ誘導とか言うじゃないですか。そういうことは、かつてはそんなに力を入れなくても、自分たちのほうが優位だと安心していられたのに、最近はそうも言っていられなくなったんですね。

堀: なるほど、そうでしょうね。以前であれば、どうせ外の人は情報を知らないから、「これはこうである」と役所が言ったら、世間は「そうなのか」という方向で動いたけれど、いまは、「これである」と言っても、「そうじゃないだろ」という声が四方八方からくる可能性がある。そういう声を受けて軌道修正したら、途端に力が弱まっていきますもんね。

進化し続けるメディア対策

古賀: ええ。そこで怖いのは、そこのテクニック、つまりマスコミ誘導の仕方が、かなり高度化していることなんですよ。

堀: どういうことですか?

古賀: それまでは、官僚自身が記者に情報を流すとか、官僚が大臣を使って流すというのが普通だったんです。記者会見とか、個別取材の際に、自分の都合のいい情報を出すことで誘導していたんですね。それも、だいたいは全国紙とNHK、全国ネットの民放が対象だった。

 ところが、たぶん小泉政権の頃からだったと思うんですが、スポーツ新聞や雑誌も使い始めた。それまでは相手にしていなかった、あまりかしこまっていないメディアも巻き込むことで、世の中の雰囲気づくりをするようになったんですね。そうすると、たとえば全国紙が、政府がつくる流れに釘を刺そうとしても何か言いにくい空気ができていたりする。いまは、けっこうネット右翼を使って雰囲気づくりをしているようですが、これなんかはその進化形ですね。ネットを活用し、さらにPR会社とかネット系企業を巻き込んで、かなりお金をかけてやっている。

堀: 相当やっていますね。