黒田博樹(NYヤンキース)が明かした「逆算の配球・握りの秘密」

フライデー プロフィール

 日本のプロ野球では、中6日で週1度の先発を迎えるのが標準的だ。メジャーの場合は、最大3時間の時差があるほどの距離を移動しながら、基本的には中4日で先発しなければならない。

 そんななか、黒田は自らのフィジカルの特徴、対戦相手が自分をどのように見ているのかなどから逆算し、投球スタイルを変革していったのだ。

  '12 年7月23日の対シアトル・マリナーズ戦。イチロー(39)がヤンキースに電撃移籍し、いきなり古巣と対戦した試合、と言えば思い出す方も多いだろう。

 この日、黒田はスライダーの調子が悪く、フォークは制球に難があった。4回1死で対したのは6番マイケル・ソーンダース(26)。193㎝、手足が長く、メジャーに多い低目が得意な〝ローボールヒッター〟だ。

 1球目、外角へのツーシームでストライク。2球目は内角高目にフォーシーム(ストレート)で2ストライク。この後、調子の悪いフォーク2球とツーシームがボールになってしまう。だが、黒田は3ボール2ストライクになった時点で「打ち取れるだろうという感覚が強まった」という(以下、〈 〉内は『クオリティピッチング』からの引用)。

〈このカウント、バッターの頭には当然フォアボールという選択肢があります。ですからインコースの、ボールゾーンからストライクゾーンに入ってくるフロントドア(内角のボールゾーンからストライクゾーンに入ってくる球のこと)は、一瞬「ボールだ」と思ってから慌てて打ちにいっても間に合わないのです〉

 結果、6球目に使ったフロントドアのツーシームで見逃し三振に打ち取った。

 黒田は、この対決に、ピッチングが日本時代とは大きく〝変わった〟ことが表れていると強調する。