テレビドラマを楽しもう『ガリレオ』『ラスト・シンデレラ』もいいけど NHK『あまちやん』は歴史に残る傑作です 特別座談会 泉麻人×上滝徹也×中森明夫

週刊現代 プロフィール

泉 航空自衛隊の広報室を舞台にした、いわば空自のPRドラマですね。そういうものを日曜の21時に放送することには少々疑問を感じますが……。

上滝 私も最初はいかがなものかと思ったんですが、登場人物がお互いの苦悩を知ってひとつひとつ成長していく、非常に古風なドラマ展開で、どこか懐かしい気持ちになって見ることができる。広報室長役の柴田恭兵の久々のひょうきんぶりがまたいい。それにテレビディレクター役の新垣結衣も演技がうまくなった。

中森 新垣結衣は能年玲奈と同じ事務所、同じ「ニコラ」モデル出身なんですよ。能年玲奈はガッキーに憧れて「ニコラ」のオーディションを受けて、この世界に入った。

上滝 柴田恭兵が亡くなった奥さんの話をしている時、柴田は泣く、部下役の綾野剛も泣く、だけど新垣は涙を流さない。その抑制的な演技に彼女の成長を感じました。

泉 綾野剛はいいですよね。『八重の桜』(NHK)では松平容保という殿様の役ですが、どちらもよく泣く(笑)。彼は泣きの演技が得意技なんですかね。ちょっと'70年代のアートシアターっぽい雰囲気がある。上村一夫の描く男のような。

 同じく泣き顔の俳優・長谷川博己が主演の『雲の階段』(日本テレビ系)はどうですか。僕はけっこう好きなんですけど。

上滝 僕も好きですね。離島の無資格医を中心とした男と女の愛憎劇。あまり評判になっていないようですが、人間の暗い情念をよく描いていて、おもしろいですよ。

泉 長谷川博己の手術のときの吊り上がった目がすごい。

中森 僕はやっぱり、妻役の木村文乃がかわいいなぁ、というところに目が行ってしまいます(笑)。

上滝 壊れていく木村文乃と稲森いずみ(看護師役)はまた見どころですよね。ひとつだけ不満点を挙げさせてもらうと、渡辺淳一さん原作にもかかわらず、性描写がほとんどないということでしょうか。

泉 別にそういうシーンを期待しているわけでもないですが、リアリティがなくなりますよね。

もっと面白くなる

中森 『ラスト・シンデレラ』(フジテレビ系)はその逆で、過激な濡れ場で注目を集めて週刊誌でも話題です。視聴率も尻上がりで15%台まで上げてきた。

上滝 肉食系の40代女性という役柄の飯島直子のガッツキがすごいんですよ。最初の、行きずりのイケメンをトイレに引きずり込むシーンのインパクトが強すぎて……。周りのその世代の女性には「女の性欲なんてあんなものですよ」と言われましたが、私には強烈で、引いてしまいました(笑)。