番長ジョッキー・藤田伸二「間違いだらけの日本競馬界」

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フライデー プロフィール
今年のダービーではメイケイペガスターに騎乗した藤田(右)。'96年に、フサイチコンコルドでダービーを制覇している

エージェント制度の弊害

競馬界が危機的状況に陥っている原因としてまず藤田が挙げるのが、「エージェント制度」だ。

「勝てなくなると『アイツは腕が落ちた』ってよく言われますよね。でも、競馬で勝つには強い馬に乗るのが必須条件。どんな天才騎手だって、弱い馬では勝てないのが現実なんですよ。

だからこそ、騎手は強い馬に乗せてもらえるようになるために、自分で厩舎を回って頭を下げて営業し、朝早くからの調教にも参加して信頼関係を築いてきた。それが、 '06年にエージェント制度が導入されたことで状況が変わってしまったんです」

エージェント制度とは、騎手と契約を結んだ仲介者(エージェント)が、馬主や調教師からの騎乗依頼を受け、騎手の騎乗馬を調整するシステムのこと。そもそもは、騎乗依頼が殺到して自分で管理しきれなくなった騎手がエージェントを利用したことに端を発する。

「JRAとしては良かれと思って制度化したのかもしれないけど、これが大きな弊害になっている。というのも、エージェントのサジ加減で騎乗できる馬が左右されてしまうから。

現在20人ほどいるエージェントのうち、大半が競馬専門紙の記者で、それぞれ馬主や調教師と密接な付き合いがあるわけだけど、有力馬の馬主や調教師に食い込んでいるエージェントと契約しないと、強い馬は回ってこないんです。

だったら、有力なエージェントと契約すればいいと思いきや、エージェント一人につき契約できる騎手は3人と減量騎手一人と決められている。

騎手がどのエージェントと契約しているかはファンには公開されていません。でも、それを知っているオレらには、今年どの騎手がリーディングを取るか予想がついてしまう。それほど、エージェントの力は大きいんです。