長谷川幸洋「財政再建を自分の頭で考えるための数式」

財政再建とは何か

 財政再建を考えるうえで、もっとも重要な指標として前回(Vol.029 2013年5月29日配信)、プライマリーバランス(PB、基礎的財政収支)を紹介した。これは税収と税外収入によって社会保障や防衛費などの政策経費を賄えているかどうか、をみる指標だ。

 具体的にどうPBを計算するかといえば、税収+税外収入から国債費(国債償還と利払いのための費用)を除いた政策経費を差し引く。結果は同じことだが、国債費から毎年の国債発行額(国債発行による収入=借金)を引いてもいい
(財務省資料:http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/sy014_2409.pdf)。

 日本のPBが国と地方全体でも、あるいは国だけをみても、内閣府の試算で2011年度から13年度まで改善傾向にあることは前回、書いた。では、そもそも財政再建になぜPBが鍵を握るのか。今回はそこに焦点を当ててみる。

 まず財政再建とは何か。

 これは意外に理解されていない。かなりの有識者でも、財政再建とは「国の借金をゼロにすることだ」などと思い込んだりしている。ところが「国の借金をゼロにする」と言っても「毎年の発行額をゼロにする」という意味の場合もあるし「これまで累積した借金をゼロにする」という場合もある。

 よくテレビ番組で「国の借金1000兆円は大問題だ」などと紹介されたりするから(私は何度もそういう番組に出演した)、視聴者はつい「1000兆円をゼロにしなければならない」と思い込んで「そんなことは不可能だろう」「だから日本の財政はホントに危機なんだ」と催眠術にかかってしまう。

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