血液型より正確!? あなたの性格はDNAで決まっていた

週刊現代 プロフィール

セロトニンには心を落ち着かせる働きがあり、「心のブレーキ」を左右している。

「セロトニンを取り込む働きを持つ『セロトニン・トランスポーター』の性質を決める遺伝子には、LとSの2種類があります。

L遺伝子を持つ人はセロトニンの影響が出にくく、ブレーキが弱いので楽観的。S遺伝子を持つ人はその逆で、ブレーキが強く慎重になるという傾向が出ているのです」(中原氏)

遺伝子は両親から一つずつ受け継ぐので、セロトニンを決める遺伝子の組み合わせは「L/L」「L/S」「S/S」の3通りに分かれる。「L/L」の遺伝子タイプはセロトニンの働きが弱くてとくに楽観的、逆に「S/S」の場合は非常に慎重、「L/S」は両者中間の性質が現れることになる。

米軍が人事に活用している

これらドーパミンとセロトニンに関与する遺伝子の組み合わせによって、性格パターンを分類することができる。日本人は大きく次の4タイプだ。

【A楽観・新奇性型】

セロトニンによるブレーキが緩やかで楽観的。かつ、ドーパミンの働きは比較的強くて好奇心旺盛。

ひとことで言えば天真爛漫な性格だ。「柔軟な挑戦者」といった趣で、のん気で気楽だが、攻撃的なところもあって活動性が高い。社交性があって積極的で、人といるのが好き。

【B慎重・新奇性型】

セロトニンによるブレーキが強く、慎重。かつ、ドーパミンの働きも比較的強くて好奇心旺盛。

ひとことで言えば「世界の中心は自分」という人。神経質で注意深く、ストレスの溜まりやすい「慎重なリーダー」という存在。物事に対して熟慮し、非常に努力家ではあるが、自信過剰で自己を過大評価しがち。日本のビジネス界を支えている「自営業のオヤジさん」に多いタイプ。

【C楽観・地道型】

セロトニンによるブレーキが弱めなので楽観的。また、ドーパミンの働きも弱く、地道な性格。

ひとことで言えば「周囲を調整する人」。きまじめな明るい母親のように、陽気で楽観的。謙虚で落ち着きがある一方で、社交性もある。あまり積極的ではないものの、人付き合いはよく、他人から信頼されやすい。自分で目立とうとしない、脇役タイプ。

【D慎重・地道型】

セロトニンによるブレーキは強いので慎重。一方、ドーパミンの働きが弱く、地道な性格。

ひとことで言えば「着実に結果を出す人」。熟慮してから物事に取り組み、反省深いうえに、不満が少なく、気分の浮き沈みも少ない。完璧主義の努力家で、石橋を叩いて渡るような性格。他人からの評価には敏感。

自身のチェックリストの結果と、2ページの診断とを照らし合わせて、思い当たるフシがあるだろうか。

ちなみに、人種によっても性格遺伝子型の出現率には偏りがあることがわかっている。

国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長の大野裕博士らの研究によると、アメリカ人には、ドーパミンの働きが強く好奇心が旺盛な遺伝子を持つ人が全体の半数以上いるのに対し、日本人では20%程度しかいない。

また、セロトニンに関する遺伝子を比較してみると、アメリカ人では、セロトニンの影響が弱くて非常に楽観的なタイプ(遺伝子型L/L)が全体の30%超いるが、日本人だと1・7%しかいない。逆に日本人の70%近くは、非常に慎重な性格のタイプ(遺伝子型S/S)だという。

「日本人は、人前で自己主張することが少なく、新しいことにチャレンジする意欲は比較的弱い。それだけに、損害回避能力に優れているため、あまり無茶なことはしません。一方、アメリカ人は、新しいビジネスにチャレンジする人や、スポーツの大舞台で爆発的な能力を発揮する選手が多い。なんとかなるさ、という楽観的な考えで突き進む人が多いといえます」(佐川氏)

このDNA検査による性格分析は、すでに国際的にはスタンダードになっているという。

「たとえばアメリカでは、DNA検査でわかった性格を企業の人事配置に役立てたり、教育方法やスポーツ種目の適性を判断したり、さらには軍隊のマネジメントにまで利用しています。それが常識になりつつある。

アメリカ以外では、中国や韓国でも、積極的に取り入れられている。日本は後れをとっているのです」(佐川氏)

この性格検査を利用すれば、明朗で積極性の強いタイプは営業職、緻密で論理的に物事を考えられるタイプは経理職、などと適材適所の人事配置ができる。また、学習塾などでは、好奇心旺盛な生徒と忍耐強く地道に努力する生徒のクラスを分けて勉強させたほうがはかどる、というわけだ。

DNAで自身の性格を知ることは、企業などの組織的な利用だけではなく、個人の「生き方の戦略」としても重要になってくる。中原氏が指摘する。