[NBA]
杉浦大介「レブロン・ジェームス、歴史との戦い」

~2013年ファイナル展望~
スポーツコミュニケーションズ

バスケIQ高い難敵・スパーズ

 1960年代に8連覇を飾ったボストン・セルティックス以降、ファイナル3連覇を成し遂げたのはジョーダンを擁したシカゴ・ブルズ(91~93年、96~98年)と、シャキール・オニール、コービー・ブライアントという強力デュオが率いたロスアンジェルス・レイカーズ(00~02年)のみ。ヒートがここで連覇を成し遂げれば、少々気は早いが、レブロンはマジック・ジョンソン、ラリー・バード、アキーム・オラジュワン、アイザイア・トーマスも成し遂げていない偉業への挑戦権を得ることになる。

ジノビリ(写真)、ダンカン、パーカーといった未来の殿堂入り候補選手たちが揃うスパーズは大変な強敵だ。

 もっとも、今回のファイナルでは、ヒートはスパーズ相手に断然有利とみなされるているわけではない。「スポーツ・イラストレイテッド」誌の5人の記者のうち、ヒート勝利と予想したものが3人、スパーズが2人。37歳ながら今だに力を保つティム・ダンカン、リーグ有数のPGと呼ばれるようになったトニー・パーカー、勝負強いエマニュエル・ジノビリ(プレーオフ平均11.5得点、FG成功率38.3%)という“ビッグ3”が引っ張るスパーズは、決して簡単に勝てる相手ではない。

「これ以上ないほどのバスケットボールIQを備えたチーム。スパーズの選手たちは、ゲーム中に他の選手がどこにいるのか、目をやらずとも理解しているかのように思えるくらい。総合力に優れたチームだね」

 そんなドウェイン・ウェイドの言葉通り、知将グレッグ・ポポビッチに鍛え抜かれたスパーズが、自滅のような形で敗れ去ることだけは考え難い。

 レブロン個人としては、クリープランド・キャバリアーズ時代の2007年ファイナルで惨敗した相手への雪辱戦という形になる。もし、ここで敗れれば、同じ相手に2連敗となり、ファイナルの通算成績も1勝3敗。6度出場したファイナルで全勝し、そのすべてでMVPに輝いたジョーダンと比べ、大舞台での実績で大きく見劣りしてしまうことにもなる。

 そんな背景もあって、現地時間6日から始まったファイナルではレブロンの一挙一動に注目が注がれ続けることは間違いない。もっとも、その一方で、勝負の行方は大黒柱以外の選手たちの貢献に委ねられることになっても不思議はないように思える。

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