第36回 是川銀蔵(その二)関東大震災に昭和金融恐慌---大事件をバネに「兜町の風雲児」へ

福田 和也

 大阪に戻り、梅田にバラックを建てて闇屋をはじめた。

 主力商品は、トタン板と釘。

 関東大震災の時と同じで、トタンも釘もよく売れた。

 これからは、食糧が問題になる、と二期作を研究したり、綿の栽培事業に手をだしたが、上手くいかなかった。

 昭和三十五年、ようやく銀蔵は証券業界に復帰した。

 六十三歳になっていた。

『週刊現代』2013年6月15日号より