[アイランドリーグ]
高知・定岡智秋監督「巻き返しに不可欠な捕手・屋宜の成長」

スポーツコミュニケーションズ

捕手は勝敗の責任を背負う覚悟を

 打線もチーム打率こそ.201と低迷していますが、チーム本塁打は9本とリーグトップです。昨季が打率.192、7本塁打でしたから、それを考えれば今季は悪くありません。特に中軸に座るデイビー・バティスタが15日の愛媛戦から2戦3発と当たってきました。ルーキーの河田直人も18日の香川戦でチームの連敗を止める満塁ホームランを放っています。

 バティスタは俊足の内野手で、本来は1番タイプ。長打もアピールすればNPBでも助っ人として候補に入ってくるはずです。守備は送球ミスがたまにキズですが、これは決して足の速くないバッターランナーでも慌てて投げてしまうのが原因です。今後、他チームの選手の特徴がしっかり頭に入ってくれば、落ち着いてプレーできるようになるでしょう。米生活が長く英語のできるサードの曽我翔太朗が、試合中もコミュニケーションをとって確認作業を行うことも大切です。

 前期のリーグ戦は残念ながら高知だけがすべての借金を抱え、他の3球団が優勝を争う展開になっています。とはいえ、戦いはちょうど半分の試合を消化したところ。ここから新たなスタートのつもりで、ひとつずつ白星を重ね、上位にくらいついていきたいと思っています。

 巻き返しにおいて欠かせないのが扇の要、つまりキャッチャーの存在です。昨季は屋宜宣一郎が78試合に出場し、正捕手となりましたが、今季は20歳の夏山翔太にスタメンを譲る機会が増えています。理由は昨季から課題に挙げてきたインサイドワーク。同じバッターに同じミスを繰り返して痛打を浴びるケースが多く、なかなか成長がみられません。

 彼は肩が強く、スローイングだけをみればNPBでも通用するレベルです。しかし、ドラフトで指名されるには、リードでもスカウトをうならせることが求められます。本人もその点を自覚して、試合前にはチャートを分析しているのですが、タイミングが遅すぎます。何事も直前の詰め込みでは身になりません。少なくとも前日にチャートをもらって、味方のピッチャーと相手のバッターを想定して準備すべきなのです。

 キャッチャーは「守りにおける監督の分身」と言われる重要なポジション。昨季、マスクを被ってあれだけ負けた悔しさを彼には忘れてほしくありません。勝敗の責任は自分が背負う。その覚悟を持って1球1球のサインを出してほしいと感じています。

 扇の要を担う屋宜が変われば、チームはもっと強くなるはずです。素質がいいだけに、今のままでは本当にもったいない選手で終わってしまいます。彼の奮起が自身と、そしてチームの今後を左右する。そう言っても言い過ぎではないでしょう。

定岡智秋 (さだおか・ちあき)プロフィール>: 高知ファイティングドッグス監督
1953年6月17日、鹿児島県出身。定岡三兄弟(次男・正二=元巨人、三男・徹久=元広島)の長男として、鹿児島実業から72年、ドラフト3位で南海 (現ソフトバンク)に入団。強肩の遊撃手として河埜敬幸と二遊間コンビを形成した。オールスターにも3回出場し、87年限りで現役を引退。その後、ホーク ス一筋でスカウトや守備走塁コーチ、二軍監督などを歴任。小久保裕紀、松中信彦、川崎宗則などを指導し、現在の強いソフトバンクの礎づくりに貢献した。息 子の卓摩は東北楽天の内野手。08年より高知の監督に就任。現役時代の通算成績は1216試合、打率.232、88本塁打、370打点。
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