[プロ野球]
DeNA・福田岳洋「“幅”を広げて1軍定着へ」

アイランドリーグ出身選手たちは今 2013年Vol.3
スポーツコミュニケーションズ

打たせてとるピッチングを

 既に巨人・阿部慎之助も空振り三振に切ってとったフォークボールと、右バッターの内をえぐるシュートという武器は持っている。外へ少し逃げる新球をマスターすることで高低と内外を幅広く使える。

「いくら得意なボールでも、プロは何度も対戦しますからね。シュートばかりを延々と投げ続けるのもきつくなってくる。結局、攻めきれずにシュートを打たれたケースも多かったんです。だから、外のボールでもっと勝負できればと考えています」

 何も空振りを奪うだけがピッチングではない。バッターが仕留めたと思ったボールが凡打になればアウトは重ねられる。ボールを低めに集め、打たせて取るピッチングをより追求することで突破口が開けると信じている。

「先発とか、中継ぎとか投げる場所にはこだわっていません。行けと言われたところでマウンドに上がるだけです。目の前のバッターをしっかり抑えていけば、1イニングだろうが、長いイニングだろうが、1年を通じて放れると思っています」

 ルーキーイヤーも昨季も1軍に定着しきれなかった。今季こそは3度目の正直だ。昨年で30歳となり、もう成績を残すことが真っ先に求められる。「詳細は明かせないが、大きく変えた部分がある」と本人も不退転の決意でシーズンに臨む。

 どんな状況でも落ち着いて対処する精神的な幅と、どんなバッターにもジャストミートさせない投球の幅――2つの“幅”を広げることで右腕は再び1軍に挑もうとしている。

(この原稿は二宮清純スポーツサイト「SPORTS COMMUNICTIONS」にて3月に掲載された内容です)

福田岳洋(ふくだ・たけひろ)プロフィール)
1983年4月9日、大阪府出身。京都・大谷高、高知大と野球を続けていたが、一度はあきらめて京都大大学院に進学。スポーツ科学を専攻する。しかし野球への未練を断ち切れず、クラブチームのリッツ・ベースボールクラブでプレー。大学院を休学して08年の開幕前にアイランドリーグの香川へ。1年目から9勝をあげて先発ローテーションに入ると、2年目(09年)に10勝5敗1セーブ、防御率2.24の成績で横浜からドラフト5位指名を受ける。ルーキーイヤーは8月に1軍昇格を果たし、18試合で防御率3.38の成績を残した。140キロ台後半のストレートと、スライダー、シュート、フォークなどをバランスよく投げ分ける。身長181センチ、83キロ。背番号49。

(石田洋之)