[プロ野球]
DeNA・福田岳洋「“幅”を広げて1軍定着へ」

アイランドリーグ出身選手たちは今 2013年Vol.3
スポーツコミュニケーションズ

高速スライダーをマスター

 もちろん成績を残せなかったのはメンタルの問題だけではない。フィジカルとテクニックの両面でも課題がみえた。
「試合が続いたり、イニングを重ねるごとに、いいボールが行かなくなりました。思っていたボールが投げられないと簡単に打たれてしまう」

 オフの間に体を動かせていなかった分、納得いくボールを投げ続けるスタミナも不足していた。2軍で調子を上げ、1軍昇格した時点で体は疲労が溜まり、いっぱいいっぱい。「それでも投げるという覚悟が足りなかった」と本人は反省するが、「やるだけのことはやった」と腹をくくれるだけの練習が積めなかったのも事実だ。

「プロで長く活躍されているピッチャーを観察していると、共通しているのはよく走ること。走れないと投げれないし、投げれなければ結果も出ない」

 走り込みのできる体を取り戻し、もう一度、下半身を強化した。
「いいボールが投げられている時は、しっかり軸足が立ってタメができている。調子がいい時、悪い時は必ずありますが、まずはしっかり軸足で立てるように意識しています」

 心身がいくら充実しても、最終的には目の前のバッターを抑えなければ生き残ることはできない。福田は自らのピッチングスタイルを再度、見つめ直す必要があると痛感した。この答えのひとつが投球の幅を広げることだ。昨秋から福田はカットボールの習得に取り組んだ。自主トレでは昨季までチームの先輩だった左腕の山本省吾(福岡ソフトバンク)のアドバイスも仰ぎ、曲がりの小さな高速スライダーへと改良を加えた。

「それまではスライダーを曲げよう、曲げようという意識が強すぎたんです。それでコントロールがつかなかったり、バッターに見極められていました。でも省吾さんが言うには“スライダーもカットボールの延長戦上でちょっと曲げるのが本来の使い方だ”と。だからカットボールのイメージで135キロくらいのスピードで、ちょっと曲げる。それでバットの芯を外せればと考えています」