「遺産」は「遺物」ではない。半永久的に使用可能だ!

鉄道技術の歴史を巡る『東京鉄道遺産』
小野田 滋 プロフィール

東京は明治時代に日本で最初の鉄道が開業し、現在に至るまでさまざまな路線が継続して建設されてきた。また、輸送量も多く、列車の運転も頻繁なので、これを支えるための工夫がなされ、一般の鉄道から、新幹線、地下鉄、路面電車、モノレールなどのさまざまな鉄道が発達している。

 

鉄道構造物は全国に分布しているが、順番に建設を進めたこともあって地域によって時代や構造物の種類に偏りがある。

晴海橋梁晴海橋梁(1957年完成) Photo by PhotoAC

昭和時代に建設された路線には煉瓦は用いられていないので、煉瓦構造物を見たい場合は、明治時代に建設された路線を調べなければならない。幸い、東京は明治時代から現代に至る鉄道構造物が網羅的に存在し、交通機関も発達しているので効率良く訪ねることができる。

万世橋万世橋高架橋(1912年完成) Photo by PhotoAC

ただ、著名な名所旧跡ではないので、案内板や解説書があるわけではなく、せっかく訪ねてもどこをどう見れば良いのか、専門家以外にはわかりにくい。

本書では東京の鉄道遺産を訪ねながら、その歴史や見所を専門的に紹介してみた。ここで取り上げた構造物は、すでに有名なものからあまり知られていないものまで千差万別であるが、いろいろな種類の構造物に接することによって、鉄道構造物に対する理解を深めていただければ幸いである。

著者 小野田滋(おのだ・しげる)
1957年愛知県生まれ。日本大学文理学部応用地学科卒業。1979年日本国有鉄道入社。東京第二工事局、鉄道技術研究所勤務を経て、分割民営化後は、鉄道総合技術研究所、西日本旅客鉄道(出向)、海外鉄道技術協力協会(出向)などを経て、現在は鉄道総合技術研究所勤務。NHK「ブラタモリ」にも出演。工学博士(東京大学)。著書に、『高架鉄道と東京駅(上)(下)』 (交通新聞社)、『鉄道と煉瓦』(鹿島出版会)、『鉄道構造物探見』(JTB)など。
『東京鉄道遺産』
「鉄道技術の歴史」をめぐる
小野田滋=著

発行年月日:2013/05/20
ページ数:208
シリーズ通巻番号:B1817

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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)

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