[MLB]
杉浦大介「“意外な”好スタート、ヤンキースは勝ち続けられるか」

スポーツコミュニケーションズ

今後のポイントは投手陣

 そうなると、カギはやはり投手陣ということになってくるのだろう。ここまで打線にばかり焦点を当てて語ってきたが、一部の主力投手たちがヤンキースの序盤戦の建て直しの立役者だったことも忘れるべきではない。

「開幕直後は苦戦したけど、その後は投手陣がよく投げてくれた。3~5点くらいの得点で勝ってこれたのは投手の頑張りのおかげだ」

 ジラルディ監督も目を細めていたが、CCサバシア、黒田、アンディ・ペティートという3人は合わせて11勝5敗、防御率2.88。このベテラン先発投手3人から、守護神マリアーノ・リベラ(ここまで11度のセーブ機会をすべて成功)へと繋ぐ継投策が今季もチームの必勝パターンとなっている。

 とはいえ、第4、第5先発投手のフィル・ヒューズ、イバン・ノバは2人でわずか1勝で、ノバはすでに故障者リスト入り。チーム防御率4.00はメジャー18位に過ぎない。これから先も32歳のサバシア、38歳の黒田、40歳のペティート、43歳のリベラという高齢投手たちに依存する部分は大きいはず。疲れの出る夏場に向けて、必ずしも順風満帆の陣容とは言い切れまい。

 いずれにしても、低い前評判でスタートした今季は、ヤンキースにとって波瀾万丈のシーズンであり続けそうな気配である。これから先もパッチワーク打線が効果を発揮し、ベテラン投手陣が踏ん張り、プレーオフ戦線を邁進して行くのか。ケガ人たちが徐々に復帰し、チームにさらに勢いをつけていくのか。あるいは例年と比べての層の薄さが響き、少しずつ失速していってしまうのか。

 序盤戦の頑張りは“伝統の力”をアピールするのに十分だったが、まだまだ先は長い。本当にさまざまなシナリオが考えられ、それゆえに興味深い。ヤンキースにとって近年で最も先が読みづらいシーズンは、始まったばかりである

(成績は現地5月2日現在)

杉浦大介(すぎうら だいすけ)プロフィール>
東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、NFL、ボクシングを 中心に精力的に取材活動を行う。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボールマガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞』など多数の 媒体に記事、コラムを寄稿している。
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