週現スペシャル 大研究 遺伝するもの、しないもの【第1部】一覧表でまるわかり 遺伝する才能、しない才能、微妙なもの

週刊現代 プロフィール

「身長や体重はとても遺伝の影響が強く、特に身長は9割が遺伝の影響といわれます。足の長さも8~9割が遺伝で決まります。

 体型は全般的に遺伝の影響が強い。一卵性双生児の調査では、最大体重、つまりどこまで太れるかということが遺伝的に決まっているのではないかという調査結果が出ています。

 また、体臭やハゲるかどうか、女性の場合は胸の大きさ、初潮の時期といったホルモンの関係することがらにも、遺伝が強く影響しています。

 顔の大きさ、頭囲も非常に遺伝しやすいものの一つです。しかし、目鼻立ちに関しては、それぞれのパーツが父親に似るか母親に似るかは五分五分ですから、顔全体が父親似・母親似というのは確率論に過ぎませんし、まったく似ていない兄弟が生まれることもあります」(石川県立看護大学教授・大木秀一氏)

 いま海外では、自分の遺伝的特徴を、唾液などを採取して送るだけでくまなく調べることができる「遺伝子検査」サービスが人気を集めている。米国を代表する遺伝子検査企業「23andMe」では、170種類の病気に加えて、肥満やハゲの可能性など57種にも及ぶ検査項目を用意している。同社の社名は、人間の遺伝子が23対46本の染色体からなることに由来するという。広報担当者が答える。

「一回99ドルを払って検査を受ければ、われわれの持つ20万人以上のデータとあなたの遺伝子を比較し、遺伝的特性や病気へのかかりやすさを調べることができます。当社の検査の結果、がんになりやすい、太りやすいといった悪い知らせを受けた方には、食生活を変えたり運動を始めたりするなど、前向きな反応をする方が多いですよ」

 詳しくは第2部で解説するが、すでに人間の遺伝情報全てが解析されているいま、あらゆる病気や身体的特徴について遺伝との関連性が研究され、そのリスクが弾き出されつつある。人一人の遺伝子全体を調べるには数百万円以上の費用が必要になるため、まだ個人向けには実施されていないが、技術的にはもはや「全遺伝子の検査」が可能な時代になっているのだ。

 自分は将来、いったいどんな病気にかかり、どんな苦労に見舞われるのか。そして、どこまで生きられるのか—あと数年もすれば、誰もが自分の体の行く末を事細かに知っているのが当たり前になるかもしれない。

「人間の寿命にも、当然遺伝的要因があります。寿命を決めるのは、食生活か、運動の習慣か、それとも学歴か、さまざまな研究がなされました。しかし最終的には、『親の寿命』が最大の要因だということがわかったのです。もちろんこれは、単に遺伝だけが理由ではなく、生活習慣を受け継いでいるせいかもしれません。それでもこの研究結果は、寿命に関しても遺伝が大きく関係していることを裏付けているといえるでしょう」(前出・石浦氏)

 ただ、「23andMe」などが提供する検査では、まだカバーされていない分野もある。冒頭でも触れた「心はどこまで遺伝するのか」という問題である。