あなたの「日本語」ここが間違ってます
実は笑われていますよ 齋藤孝×井上明美

週刊現代 プロフィール

齋藤 イエス・ノーがはっきりしていない言葉が多いのが日本語の特徴ですね。「どうも」とか「大丈夫」のようなよく考えると何言ってるのか分からないな言葉がある(笑)。

井上 言葉自体も必ずこうという規則があるものでもないですからね。曖昧語も言葉づかいも、使う場面に沿った適切な言い回しが求められるのでしょうね。

齋藤 私は日本人の国語力は必ずしも落ちているとは思わないんです。今の時代の1週間分の情報量は、多分昔の人の一生分くらいあると思います。江戸・明治時代と比べたらコミュニケーションのスピード感は比べ物にならないくらい上がっている。そういう中で求められる言葉の力が上がっていると思うんです。

井上 情報量もあり物質的に豊かであっても、言葉もより豊かに、という関心が高まっているのでしょうね。

齋藤 日本語力を上げたいと思ったら、せっかく今これだけ日本語関連本が出ているのだから、それを使って一回自分の誤りやすい日本語をチェックしておくのはいいかもしれませんね。まずはこの特集のチェックシートをやってみるといい(笑)。そして、基本は新聞や本、雑誌の活字を読むというのが、日本語上達には一番自然でいいんです。活字になっている語彙をどれだけ上手に使えるかというところに「国語力」は表れてくるのかなと思います。

井上 言葉に触れる場を増やせば「あれっ」と気づきますし、気づきがより良い言葉づかいの工夫へとつながっていくのでしょうね。

さいとう・たかし/'60年、静岡県生まれ。明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)や『人を動かす文章術』(小社)など
いのうえ・あけみ/ビジネスマナー・敬語講師。国語学者の故・金田一春彦氏の元秘書。敬語の講師として教育研修指導に携わる。近著に『最新 手紙・メールのマナーQ&A事典』(小学館)など

「週刊現代」2013年4月27日号より