NTTはどこへ行くのか
【第5章】NTTグループと海外進出の歴史(5)
欧米に積極展開するドコモ

〔PHOTO〕gettyimages

第5章(4)はこちらをご覧ください。

NTTドコモの欧米投資

 前回のNTTコミュニケーションズにつづいて、今回はNTTドコモの海外展開を追ってみましょう。

 ベリオ買収でNTTコムがISPビジネスを米国で展開する一方、NTTドコモは独自のコンテンツ・プラットフォーム『iモード』と、第3世代サービスのW-CDMA陣営の拡大を狙っていました。

 NTTドコモは2001年1月、アメリカの携帯大手AT&Tワイヤレスに98億ドルを、2002年12月にも3億8,000万ドルを追加投資し、同社の大株主になりました。NTTドコモはこれを足がかりにiモードを米国市場に普及させようとしたのです。

 アナログ(第1世代)時代、AT&Tワイヤレスは米国でトップの座にあり、加入者が殺到していました。加入者増加に対応するために、同社はデジタル(第二世代)方式に早急に移る必要がありました。そこで選んだのがTDMA(時分割多重)という伝送方式でした。

 一方、ほかの事業者は無線周波数に余裕があり、慌ててデジタルに移る必要がなく、より伝送効率の高いCDMA(コード分割多重)技術の成熟を待っていました。こうして、携帯業界はその後、GSMとCDMA方式が主力となり、いち早くTDMAを採用しましたが、AT&Tワイヤレスは孤立してしまいます。

 結局、TDMAと平行してGSM方式を整備するのですが、通話エリアの貧弱さ、ネットワークの複雑さ、料金、カスタマー・サービスなどで問題を抱えこみ経営が傾いて行きます。

 そして、ドコモが投資した資金は、iモード導入には回らず、ネットワーク整備や営業経費に飛んでゆく反面、AT&Tワイヤレスの株価は急速に落ち、ドコモは損失を抱え込みます。

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