現代ビジネス編集部(以下Gbiz): こんにちは。古賀茂明さんのメールマガジン『古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン』をご購読いただきましてありがとうございます。本日は1月にリニューアルいたしましたメールマガジン動画版第1回の配信となります。
古賀: はい! よろしくお願いします!
今日、最初のテーマは、「軽減税率」です。まず、軽減税率そのものをどう考えるかということからお話ししてみたいと思います。
「軽減税率」というのは、生活必需品などの税率を低く抑えることですね。所得の低い人たちの増税のショックを少しでも和らげたいという基本的な発想は悪くないんですけれど、それを実施するにはいろいろな方法があるわけです。
軽減税率というのもひとつのやり方ですけれど、そうではなく、所得の低い人たちに直接おカネが回るようにしていくというやり方があります。
そのやり方もいくつかあって、現金をポンと給付していくという方法もありますし、税金──この場合、消費税以外の所得税や住民税などです──を払っている人たちにその税を還付し、税を払っていない人たちについても所得をちゃんとチェックしたうえで現金を給付する「給付付き税額控除」と言われている方法もありますし、技術的にはいろいろなやり方があるんですね。
厳密に言えば、一人ひとりの所得、資産を全部チェックして、本当は金持ちなのではないか、本当に困っているのか、ということをしっかり見分けて、本当に困っている人だけに恩恵が行きわたるような仕組みがいいんですけれど、日本ではこの仕組みが整っていない。そのため、本当に貧しい人を探し出そうとしてもなかなか見つけられない。しょうがないから自民党は、大雑把に把握して一回限り、給付金のようなものを渡そうかと考えているんです。
2014年4月に消費税を8%に上げるわけですが、その次に2015年10月にもう一回上げるまでにはまだ時間があるから、軽減税率についてはそのときまでに準備をして、どういう品目を選んで軽減税率にするかということになっていくと思いますが、これがすごく難しいんです。