ケリー・マクゴニガル×安藤美冬 【後編】
他の人を助けることができれば、あなたの人生は最高になります

【前編】はこちらをご覧ください。

浮気癖や恋愛依存症も、意志の力で克服できる

安藤: 付き合っている男性と女性の感情がぶつかりそうになったときは、それをやり過ごそうとするのではなく、あえて意識して正面から見つめるのがいいということでしょうか? お互いに、雲行きが怪しくなっていることを早めに共有して、協力して事態を改善する方がいい、と?

マクゴニガル: そうですね。十分な意志力があれば、「ケンカしてしまった後に、きっと後悔するだろうな」と気づくものなんです。「自分の中に、自分が今やっていることの証人がいる、目撃者がいる」という感じになるんですね。

 そして意志力は、自分の言動をコントロールできなくなる前に、再び元の状態に戻してくれる役割を果たすのです。その辺のことは、私の本『スタンフォードの自分を変える教室』で説明していますので、詳しく知りたい方は読んで頂ければと思います。

 私の授業を受けた学生の中には、自分の配偶者以外の異性と浮気をしないために、この意志力を使っている人がいます。要は、まず「誘惑に負けないように」と決心し、そして「自分の配偶者に対して誠実であるとはどういうことか」を思い出して、「配偶者こそが大切なんだ」という気づきを得るために、意志力を活用しているのです。

安藤: へえ~、恋愛や浮気についても講義されているんですね。日本でもぜひやって頂きたいです。

マクゴニガル: 私の講義で最も人気あるトピックは、「恋愛依存症を克服するにはどうしたらいいか」というものです。「今の恋愛関係を続けていても、自分にとっては絶対によくない」とわかっているのに、実際には、どうしてもそこから抜け出せずに悩んでいる人たちがいます。そういう人たちはどうやったら今の関係をきれいに断ち切れるのか、というトピックです。

安藤: 日本でも、同じ悩みを持つ人は多そうです。

マクゴニガル: このテーマを講義するとき、私はまず脳について科学的な説明をします。「人が何かに中毒状態になるとき、脳はどのような働きをするか」という話ですね。

 具体的には「脳というのはよく、『欲望』と『本当に他者を愛する気持ち』を取り違えてしまう。場合によっては、故意に両者を人間に混同させる」という話をします。そして、「この混同させる働きのせいで、恋愛依存症だけでなく、過食や薬物中毒も起こるのです」という話に結びつけて講義していくんです。

 最初に講義を始めたときには、まさか、このような授業をするとは想像もしなかったですね。「元彼との関係を何とか清算したいので、そのやり方を教えてください」みたいな説明を求められるとは夢にも思いませんでした(笑)。

安藤: 日本にも、ケリーさんのように科学的、論理的にこの問題の解決のアドバイスをしてくださる専門家がいればいいのに・・・と思います。日本の場合、多くの女性が「元彼との関係を断ち切りたい」とか「今の行き詰まった恋愛を何とかしたい」となったとき、占いに答えを求めることがしばしばあるんです。

 日本のファッション誌や女性誌の多くが、占いの特集や、スピリチュアル的な旅行やセラピーの特集をやったりして、非常に人気を集めています。占いの連載ページもあります。そういう現象は、良いことなのでしょうか。

マクゴニガル: 占い? 女性向けの雑誌に占いがよく載っていると?

安藤: はい。例えば、「手相によると、あなたは○○歳で転職するとよい」とか「星座で占うと、ボーイフレンドとの相性はこうなっている」とか、そんな調子です。みんな、熱心にそんな記事を読んでいます。どこまで信じているかは人それぞれだと思いますけど。

マクゴニガル: すごく面白い!

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