『「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!』

生きていて死んでいる状態をつくる
古澤 明 プロフィール

 さらに、仕上げとして、本書のメインテーマである量子が集合してマクロな波となったものが、ミクロの世界で起こる重ね合わせの状態となること=「シュレーディンガーの猫状態」まで理解してもらえたら完璧である。つまり、ミクロな存在=光子からスタートし、マクロな存在=レーザー光線となり、それがミクロな現象=重ね合わせを起こすという構造がわかってもらえたらとてもうれしい。また、シュレーディンガーの猫状態とその量子状態変換が量子情報処理=量子コンピューターそのものであることにも言及しよう(図A)。

 以上のことを図を用いて示してみよう。本書の最終目標であるシュレーディンガーの猫状態とは、マクロで古典的な存在である、位相反転した2つのレーザー光線の状態が重ね合わされた状態であり、図Bのような状態をいう。

 これは図Cのような古典的な混合でもないし、図Dのように波同士が打ち消し合うことでもない。

 本書では読み終わった後に、これらが理解できるようにしたつもりである。
 実はもうひとつこの本で解説したいことがある。それは量子力学のシュレーディンガー描像(びょうぞう)とハイゼンベルク描像についてである。もちろん、シュレーディンガー描像のシュレーディンガーとは、シュレーディンガーの猫を提案したシュレーディンガーその人である。